News

母親でありながら芸人として体を張る時点で、もう十分面白いし格好いい

  

【mamagirlWEBリニューアル記念】パパゲストインタビュー 鈴木おさむさん(後編)



育児について、パパって本当はどう思っているの?
放送作家の鈴木おさむさんによる『ママにはなれないパパ』(マガジンハウス)は、そんな問いに答えてくれる父親目線の育児本。2015年に待望の第一子・笑福(えふ)くんを授かり、育児のため1年間休業することを選択した鈴木さんの奮闘の日々が、ユーモアあふれる筆致でつづられています。
パパになって4年目を迎えた鈴木さんに、「mamagirl」読者に勇気を与えるメッセージをいただきました!

前編はこちら






育児に向き合う男性を「父親」と呼ぶ

――「イクメンという言葉が嫌い」とブログに書いたところ、読者の方がコメントをくれたそうですね。

鈴木おさむさん(以下、鈴木):「育児にちゃんと向き合う男性のことをイクメンというんじゃなくて、父親というんだよ」と、その方のおじいちゃんが言っていたそうです。まさにそうだと思いましたね。イクメンのイベントを仕掛けている人が、「イクメンという言葉はお父さんたちの評判が悪い」と言っていました。拒否反応を示す男性が多いんですって。「イクメン」とか、そういう言葉を作ること自体が良くないのではないかと思います。

裏を返せば、育児に向き合わない男性は、遺伝子を分けていても父親とは呼べないわけです。母親は子どもが産まれたら母親だけど、父親は父親になる権利を与えられるだけ。せっかく父親になる権利を手にしているのに、忙しさを理由にして、その権利を行使しない人も多いですよね。週末2時間だけでも「やるぞ」という気持ちを見せるだけで、自分は父親だと胸を張って言えると思うんですよ。

――確かにそうですね。鈴木さんは、家に帰ったらまず、寝ている奥さんの手を握って頭をなでるそうですが、ほかに夫婦円満の秘訣はありますか?

鈴木:やっぱり、違和感を覚えたら、その都度話し合うことじゃないでしょうか。夫婦関係は、整骨みたいなものです。最初は5ミリほどの小さなズレでも、放っておけばそのズレは大きくなります。

例えば「なんでこの服買ったんだろう? 同じような服を持ってるじゃん」と思ったときに、面倒くさがらず聞いてみる。放っておくと、最初はポリープだったのに、いつの間にか癌に変わるんですよ。話し合って、ポリープのうちに治療しておくことが大事ですよね。

――最近は、ご夫婦でどんなことを話し合いましたか?

鈴木:すごく細かいことばかりですよ。例えば先日、カブトムシが交尾しているのを見て、僕は「カブトムシがセックスしてるな」って言ったんです。そうしたら翌朝になってから「セックスって言わないでくれ」と妻から注意されました。じゃあ、その言葉は今度から気をつけようと思うじゃないですか。どんなに細かいことでも、話し合うことが大事。面倒くさいことって、意外と言わずに避けてしまいますからね。

子どもがいながら芸風を貫く。誰もできていないことだからいい

――著書の冒頭で「子どもを産んだ芸人・大島美幸が母親としてどう変化していくかがとても楽しみ」と書かれていますね。出産後、奥さんの変化を感じた点はありますか?

鈴木:母親という立場にありながら、体を張って仕事をしている時点で、もう十分面白いなと感じます。子どもがいても、芸人として体を張る。それって、誰もできていないことだからいいと、僕は思っているんです。

世の中には、体を張って仕事をしている妻の姿を見て「子どもがいじめられるんじゃないか」と言う人もいます。そういう評価に対して「しんどい」と感じるなら、もう潮時なんだと思います。妻の場合は人気商売ですし、自分にしかできないことをやらないのであれば、すっぱり辞めて、若手に席を譲ってあげたほうがいい。これは僕の理想論ですけど、仕事をするのであれば、格好いい自分を貫いてほしいんですよね。

――普通のママの場合はどうでしょうか? 育休を取得したあと、結局復帰できなかったというケースもよく聞きますが……。

鈴木:どんな企業であっても、育児中のお母さんが働ける仕組みは整えるべきだと思います。ただ僕は、産休・育休前と同じポジションに戻るのが当たり前とは思っていません。

例えば、病院でずっと治療してくれていた医師が、育休に入ったとしますよね。別の医師が治療を引き継いでくれて、その医師との絆がすごく太くなってきた。そんなときに、以前診てくれていた医師が戻ってきますと言われて、戸惑わないといえば嘘だと思うんです。お母さんが会社に復帰するときも同じで、自分が休んでいたときに仕事を代わってくれた人の能力が高ければ、自分はほかの仕事に移って、ポジションを譲るべきじゃないでしょうか。

この夏は、マイケルTシャツで親子コーデを楽しんだ

――mamagirlは「ママだってガールだもん」を合い言葉に、母親であることを楽しんで生きようというメッセージを発信している雑誌です。奥さんである大島さんを見ていて、「女子だなぁ」と感じるのはどのような点でしょうか?

鈴木:顔のデキモノを気にするところでしょうか(笑)。テレビに映る仕事ということもあるかもしれませんが、正面から見て目立たないところにデキモノができただけで、マスクで隠したりしていますよ。

――mamagirlの中でも特に人気なのが「親子コーデ」の企画です。鈴木家では、親子コーデを楽しんでいますか?

鈴木:今年、ヒステリックグラマーで、マイケル・ジャクソンをモチーフにした服を作っているんですよ。うちの息子はマイケル・ジャクソンが好きなので、デザインの違うマイケル・ジャクソンのTシャツを、3人分買いましたね。僕と息子が2人で出かけるときも、親子そろってそのTシャツを着て行くことがあります。

――笑福くんは、マイケル・ジャクソンがお好きなんですね(笑)

鈴木:2歳くらいからマイケル・ジャクソンが好きになる子って、けっこう多いんですよね。ああいうダンスは、子どもを惹き付けるみたいです。

――最近、親子3人で出かけたスポットはありますか?

鈴木:お台場の「チームラボボーダレス」を観に行ったり、ディズニー・オン・アイスを観に行ったりしましたね。うちは、3人で一緒にいられることは少ないんです。妻はママ友と、僕は一人で、それぞれ子どもを連れて遊びに行くことのほうが多いですね。妻は日焼けするという理由で海が嫌いだし、映画もあまり好きじゃないから、そういう場所には僕が連れて行きます。この間は、息子と2人で上野の昆虫展に行きました。

――笑福くんが今好きなものは?

鈴木:今は恐竜が好きですけど、日々変わっていきます。ミッキーも好きだし、昆虫も好きですね。

家族の単位は、いずれ夫婦に戻る

――「mamagirl WEB」は、今までファッションコンテンツがメインでしたが、今後は社会問題や育児問題も取りあげていく予定です。今どきのママや、夫婦のあり方に関して、問題だと感じていることはありますか?

鈴木:離婚率33%という現状は、僕らが思っている以上に深刻だと思います。離婚は人間関係の問題だから仕方ないけど、1人で子どもを育てる女性が増えることを考えると、憂慮すべき問題だと思いますね。保育園に通わせるために働いて、学校に通わせるために働いて……。ずっとその繰り返しになってしまいますから。子育てって夫婦2人でも大変なのに、1人で育てるのはすごい労力だと思います。


――最後に、新米ママ、新米パパに向けてメッセージをいただければと思います。

鈴木:子どもは、20歳くらいになれば家を出ていきます。最終的に、家族の単位は夫婦2人に戻っていくんですよね。70代後半から80代になっていく両親の姿を見ていると、夫婦で生きていくって、けっこうシビアだと感じます。父が癌になったとき、両親は排泄のことなどですごく悩んでいましたから。いずれ夫婦2人になったときのためにも、日ごろから話し合って、ズレを少なくしていくことが大事だと思いますよ。

プロフィール
鈴木おさむ(すずき・おさむ)
1972年千葉生まれ。放送作家。2002年、交際0日で森三中・大島美幸さんと結婚。2015年、待望の第一子・笑福くんを授かる。夫婦生活を描いたエッセイ「ブスの瞳に恋してる」はシリーズ累計60万部を突破。






鈴木おさむさんの最新刊『ママにはなれないパパ』作品概要

「ママにはなれないパパ」(マガジンハウス刊/定価1300円+税)

男がまったくわからない、「乳首痛い」問題。
妻の不在で、一気に深まる父子の関係。
なりたいのは「イクメン」ではなく、「父親」。
「添い乳」の威力を思い知り、途方にくれる。
母親を守ろうとする、息子の必死さにショック。
など全53話のエッセイと「父の気づき」
(プレスリリースより)

「実は旦那さんの出来ることって少ないって思うんです」――43歳で一児の父となった鈴木おさむさん。お子さんの誕生をきっかけに一年間の育児休暇を取得。
完徹で寝かしつけた夜のこと、毎日の料理当番の大変さ。鈴木さんが綴る言葉からは、真剣に向き合ったからこそみえてきた景色、説得力があります。
父親になるために勉強をする「父勉」という概念は、育児にどう携わっていいのかわからないパパの参考に。これから子どもを迎えるプレママ・パパにもおすすめの一冊です。

企画・構成/mamagirl編集部  取材・文/東谷好依

SHAREFacebook
TWEETTwitter
LINE LINE

PickUp
[ おすすめ記事 ]

SPECIAL!