Illustration by 藤峰やまと

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「私と奥さんどっち取る?」不倫相手の詰問に黙り込む夫…妻子持ち不倫の結末は?

mamagirlWEBだけで読める小説「シンデレラmamaガール」

mamagirlWEBだけで読める小説「シンデレラmamaガール」。 宗太の浮気をきっかけに家を飛び出したさらさ。 一念発起して立ち上げた水着のネットショップも開業から2か月半が経過。 ある日、事態が急変。思いもよらぬ展開にさらさはーー。

9話:一転した輝く景色

水着のネットショップを開いてから、2か月と半分が終わろうとした朝…-

さらさ「えええ!」 
さらさは声をあげて、ベッドから飛び起きた。

携帯画面に映るのは、インスタグラムのアカウント。
1000ちょっとしかいなかったフォロワーが一晩で一気に1万フォロワーを超えていた。

(一体、なにが起きてるの!?)

嬉しいのと同時に、一瞬、アカウントを乗っ取られたんじゃないかと悪い予感もする。
投稿をくまなく見ていると、タグ付けのアイコンに1がついていた。

そこに飛ぶと……

(うそでしょ…)

さらさは思わず口元に手をあてる。

有名なインフルエンサーママが、海外で水着を着てくれた写真を投稿してくれていた。

写真のコメントには、デザイン性の高さと即納という、さらさが戦略として打ち出していたことへの賞賛が書かれていた。

そこへ、ドタドタと慌てた様子の母がやってくる。
母「大きい声出して、何かあった!?」

さらさ「お母さん、私やったかも」

母「へ?」

母を見て、さらさはガッツポーズをした。

さらさ「水着ショップ、続けていけそう」

母に携帯画面を向け、インスタの画面を見せる。

寄ってきた母は分かっているのか、分かっていないのか
携帯を手に取りながら、微笑んでくれた。

母「やったじゃない、おめでとう!」

さらさ「うん!あ、注文どうなってるかパソコン見なきゃ」

ベッドから降り、そばのパソコンを開く。

(すごい……)

今までに見たことのないような注文数が入っていた。

SOLD OUTの文字が並ぶ。

さらさ「ゆ、夢がかなった……」

涙が出そうなところへ、母が後ろから声をかけてくる。

母「携帯になにかメッセージ?が届いているわよ」

母「とりあえず押してみたんだけど」

さらさ「ん?」
携帯を受け取ると、DMが届いてた。

――――――――――――――――――――――――――――
ご担当者さま
はじめまして。mamagirl編集部の鈴木と申します。
こちらのインスタアカウントを見て、ぜひ一度水着を雑誌に
掲載させていただけないかと思いDM致しました。
もしご興味頂けましたら、返信くださいますと嬉しいです。
                         鈴木
――――――――――――――――――――――――――――

(こんなことってあるんだ)

さらさの鼓動が心地よく音を立て始める。

母「なんだって?」

さらさ「雑誌に、私の水着を掲載したいって」

母の顔がぱっと明るくなる。

母「やったじゃない!ほんとうに、やればできる子だったのね!」

さらさ「お母さん、ありがとう!」

さらさは母と笑い合う。今、見えている景色が一瞬にして輝いてみえた。


そして、タイムリミットだった3カ月が経った日のこと…-


宗太は沙彩と、朝から揉めていた。
自宅近くのカフェの一番隅の席で、沙彩がしくしく泣く。

沙彩「これ以上、もう我慢できない」

宗太「…もう、仕事だろ。あと30分したら行くから」

沙彩「たしか3カ月…。今日、さらさ先輩帰ってくるんですよね?」

宗太「ああ」

沙彩「…先輩は、どういうつもりですか」

宗太「なにが」

沙彩「私と、さらさ先輩どっちを取るんですか」

沙彩の問いかけに、宗太は黙り込む。


予想をしていた質問だが、答えられない自分がいる。

宗太は心のどこかで、沙彩がうっとうしくなっていた。
このまま関係が終わればいい、とそう思っていた。

でも……

宗太「どっちとか選べない」

そう答えるのは、沙彩を振れば恨みをかって
大変なことになるんじゃないかと思ってしまう。


沙彩「…私、さらさ先輩と直接話します」

宗太「え?」

沙彩「だって、宗太先輩は私が好きなんでしょ?宗太先輩は私といたいって言います」



沙彩は勢いよく立ち上がると、カバンを持つ。

宗太「おい、ちょっ…」

強く腕を掴んだ宗太に、沙彩がキッとにらみを利かせた。

沙彩「痛い!!!」

カフェにいた人たちの視線が一気に集まる。

宗太が手をぱっと離すと、沙彩も少し気まずそうにスーツを整えた。

沙彩「仕事行くので、また後で」

去っていく沙彩に、宗太は頭をかく。


携帯をポケットから取り出すと、さらさからLINEがきていた。

さらさ「もう朝だけど、家につきました。いると思ったけどいなかったから…」

さらさ「帰ってきたら時間ちょうだい。色々話したいことがあるから」

宗太の額にじんわりと汗がにじむ。

(どーすればいいんだよ)

さらさと沙彩の間で、どうにもならない状態になっていた。


タイミングを合わせるかのように、上司からメールが届く。

上司「今日のプレゼンよろしく!期待してます!」

女性の上司になってから、宗太の仕事環境は劇的に変わっていた。


育児と仕事を両立させ、仕事のミスも言い訳せずこなす上司。
そんな姿は会社中で賞賛され、尊敬され、それなりに人望もあった宗太の存在が
あっというまに薄くなってしまっていた。


仕事への足取りが重くなる。
沙彩とさらさと仕事…なにもかもがうまくいかない。
宗太は冷めたコーヒーを流し込むと、下を向いたまま仕事へと向かっていった。


その夜……

さらさは、宗太とダイニングテーブルに向かい合って座っていた。

宗太にすっと、通帳を差し出す。

宗太「…なんだ、これ」

宗太が通帳を開くと、目を見開いた。


水着の売り上げを記した通帳は、宗太の給料数か月分を1カ月で稼いでいた。

さらさ「今は離婚考えてないけど、これだけ 稼げるようになったから」

宗太がぐっとつばを飲み込み、少し青ざめた表情を見せる。
さらさはふーっと息をつくと、宗太から通帳を受けとった。

さらさ「今までは私、宗太がいないと正直生きていけなかった。育児でいっぱいいっぱいで、余裕もお金もなくて…」


さらさ「でも、浮気されても宗太と別れも言えない自分は嫌だ。自分の生き方は、自分で決める」


宗太の顔が曇り始めた。そして……

さらさ「私、宗太より稼げるようになったから、もう宗太の好きにしていい」

宗太「え?」

さらさ「宗太はこれから、どうしたいの?この家にいたい?」


さらさ「宗太が沙彩のところへ行きたいなら、どうぞ」

宗太はぐっと顔を下に下げると、力なく言葉を伝えた。

宗太「…ほんとうに、すまないことをしたと思ってる」

さらさ「で、ここにいたいの?」

宗太「もう二度としないから、ここにいさせてください」


宗太は考えるように間を開けると、ぽつり、ぽつりと話はじめた。

宗太「ひなたが生まれて、本当に嬉しかったけど」

宗太「さらさはどんどん母親らしくなってくのに、オムツ替えひとつにしても気を利かせてるつもりでも、さらさに小言いわれるようになって、少し自暴自棄になってた」


宗太「そのとき、沙彩に会って褒められて…そのことが自分の存在を認められたみたいで嬉しかった」

宗太の言葉に、さらさの胸が少し痛む。

(育児で余裕なかったとはいえ、当たりすぎてたかな)

思い当たることもあり、さらさも少し反省する。


宗太「だからって、家族を傷つけるようなことしてごめん。もう二度としない」

さらさは、頭を下げ続ける宗太を見るとふっと息をついた。

さらさ「…私もごめん」

宗太が顔をあげる。

宗太「いや、俺が全部悪い。ほんとにごめん」


すると、その時。

ピンポーン。

(こんな時間に?)


宗太が何かに気づいたように、慌てて立ち上がる。
インターホンのモニターを見て、どぎまぎしている。

様子のおかしい宗太の後ろへ、さらさも歩み寄る。

宗太「あ、いや…」

モニターには沙彩が映っていた。


宗太「俺がどうにかするから。下行ってくる」

慌てる宗太を引き留めた。

(もうこの際、すべてをチャラにしよう)


さらさ「いいよ。入ってもらって」

宗太「え?」

さらさ「沙彩と直接話したかった」

さらさ「家に入れて」


つづく

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ライター。ファッション雑誌、作詞提供、携帯ゲーム脚本など書くことを仕事にしています。現在、おてんば娘に振り回され中。

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