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ロバート山本「400年も前の話なのに…」徳川家康に学ぶ「子育て植木論」

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ロバート山本「400年も前の話なのに…」徳川家康に学ぶ「子育て植木論」

 ロバートの山本さんが芸人として、パパとしての気づきを綴る本連載。第66回は、歴史好きな山本さんが語る、歴史に学ぶ子育て。今回は徳川家康の「子育て植木論」について。

■ルールを変える男、織田信長への憧れ

私は歴史を学ぶことが好きなのですが、そもそも好きになったきっかけは、おばあちゃんの影響と小学生のときに読んだ『まんが 日本の歴史』。以降、いろんな武将のエピソードを調べたり学んだりしてきましたけど、好きな戦国武将って年齢とともに変わってくるものなんです。若い頃はやっぱり織田信長が魅力的。時代を変えていくために、ルールからどんどん変えちゃう男って憧れますよね。でも、僕も40歳を超えてくると、「ルールを変えてやる」「俺が世の中を……」と鼻息荒くしている20歳前後の若者を見ると、「いやいや。それがどれだけ大変なことかわかって言ってる?」「変えたあとどうなってしまうか想像できてる?」と、ちょっと心配する目線でも見るようになってしまうんです。いつの時代も、若者はやっぱりデカイことを言うもの。でも、それを本当に実現できた人って少ない。戦国時代も信長とあと数人くらいで実際には一生懸命やっても「あ、世の中ってそんなに簡単に変わらないんだな」「変えてはいけないモノなんだな」といろんなことを学んでいくじゃないですか。でも、だからといって諦めてるわけじゃない。一人の人間で変えられないならば、どうみんなで世の中を変えていくか、みたいな視点も持てるようになっていく。そうなると、憧れの武将も変わっていくものなんです。

■成金・秀吉から学ぶべき「後進の育成」の重要性

よく言われるのは、好きな武将はまず信長から入り、秀吉に流れて、最後は家康に落ち着く、というもの。最初はやっぱり、隣国の熟練武将や周りの重鎮たちをどんどん超える信長の若者像が痛快ですよね。でも、信長といえばイケイケ過ぎて周りがついて行けず、日本統一の一歩手前で、『麒麟がくる』の主人公で家臣だった明智光秀に討たれて夢が潰えます。そこで、信長の後継者レースを制した豊臣秀吉は、いろんな人の情報を参考にしつつ、「今はこういうことなんじゃない?」とバランスを見ながら、どんどん統治範囲を広げて天下を統一するんです。ただ、秀吉ができなかったのが「後進の育成」。一代で成り上がったまさに成金みたいな人なので、「黄金の茶室」に代表されるように、どんどん自分の身の回りのことにお金を使っていきました。それはそれで憧れる部分はありますけども、散財ばかりで後進の育成ができなかった結果、秀吉が亡くなると豊臣家は力を失い、終的に徳川家康に負けてしまうわけです。

撮影 モリサキエイキ

■実はとても現代的な家康の教え

その家康といえば、我慢に我慢を重ねて天下を取り、天下人になったあともずーっと質素倹約を続けた人。お金はあるけども、それを自分のために使わないというか、政治のため、徳川家のためにしっかりと財を残しました。そんな家康が残した言葉で面白いなと思うのが、子育てを植木にたとえていることなんです。発芽したときは、毎日毎日気を配って芽の状況を確認しなければいけない。2、3年経ったら、今度は添え木を当てて正しい方向に支えてあげなければいけない。悪い方向に枝が伸びた時は、その枝をすぐに切ってあげなければいけない。それをいつまでも続けることで、最後に植木が立派な大木になる、という内容です。子育てもほんと一緒ですよね。常に目をかけなきゃいけないし、悪い方向に行きそうであれば、それを正すのが添え木の役目というか、親の役目ですもんね。こんな風に、もう400年も前の逸話なのに、令和の時代の子育てにも通じるんです。権力者ならなんとでもまかり通る時代だったのに、誰よりも正しく生きる。やっぱりこういう人が天下を取るに値する人なんだなぁと思うし、見習わなきゃなと襟を正したくなります。一方の秀吉といえば、一人息子の秀頼をひたすら「可愛い可愛い」で子育てしてしまって、しっかりと後継者として育てることが出来なかったのかもしれません。遅くにできた子どもというのもあるにせよ、反面教師にしなきゃな、と思う部分です。子育て以外でも、家康の質素倹約な部分も参考になるし、自分で薬を作って家臣にあげたりと部下を大事にした人でもあるんです。家康の考え方って実はとても現代的で、今こそ見習う部分は多いだろうなぁと感じます。そんな偉大な始祖がいなきゃ、江戸幕府260年も続きませんよ。

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ロバート 山本博

ライター
2018年で結成20年を迎える、お笑いトリオ・ロバートのメンバー。テレビ番組や劇場でのコントではツッコミとして活躍する一方、ボクシングのトレーナーとしてレッスンを開講したり、相方の秋山竜次から「むちゃぶり」で描かされた「むちゃぶりかみしばい」(文芸社)が出版されるなど、多方面に渡って活動している。趣味:ボクシング(フェザー級、戦績:1戦1勝1KO、トレーナーライセンス取得)、ポケモン、お城巡り、蕎麦屋巡り、体を動かすこと特技:ルービックキューブ、ロボットダンス、オカリナ、運動保育【育児絵日記Instagram】yamamotohiroshipapa
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