
撮影:モリサキエイキ
Comic
ロバート山本がゾンビを熱演しすぎた結果…「これ、パパじゃない」
山本さんが芸人として、パパとして、気づきを綴る本連載。
第83回は、息子くんが好きな「ゾンビごっこ」について。息子くんを怖がらせてしまうほど熱演してしまう山本さん。
ゾンビのマネが得意な理由とは?
■「ゾンビごっこ」でリアルなゾンビを演じると…
息子は最近、ゾンビごっこがお気に入り。「パパ、ウウアァーやって」と、やたらせがんできます。
ゾンビごっこと呼んでいますが、息子は多分、ゾンビがどういう存在か理解していません。鬼とか怪物とか、“なんとなく怖いもの”だと思っているのかも。
きっと、「ウウアァー」って大声を上げて襲ってくるのがおもしろいんですよね。
いつもはキャーキャー言いながら逃げ回る息子ですが、僕が熱を入れすぎると、急に真顔になります。「これ、パパじゃない……パパが抜けちゃってる」って感じて、途中で「こわい、こわい。パパ、こわい」って、急にストップをかけるんですよ。
その顔を見るのがおもしろくて、わざと本気でゾンビを演じることもあります。でも、あまりやり過ぎると、怖がって遊んでくれなくなっちゃうから、ほどほどにしておかないと。
以前も書いたとおり、チューバッカ(『スター・ウォーズ』シリーズのキャラクター)のお面を被って、息子をおびえさせてしまったことがありますから……。
■優しい「ひろしゾンビ」は逃げ道だって教えてくれる
何を隠そう、僕はゾンビを演じるのは慣れているんです。なぜなら、ロバートの単独ライブ「ロバート企画」で、ときどき「ひろしゾンビ」というキャラクターを演じているから。
ひろしゾンビが生まれたきっかけは、沖縄にあった吉本興業のアトラクション施設「沖縄おもろおばけ屋敷」。芸人がお客さんを驚かせるおばけ屋敷で、僕らもキャストとして参加したことがありました。
ゾンビに扮して、背後からお客さんを追いかけるのが僕の役割。出会い頭は怖いけど、言ってる内容をよくよく聞くと、めちゃくちゃ親切なんですよ。
「向こうで◯◯を取ってぇ〜、それを3つしっかり集めて〜」って、やるべきことを詳しく説明する。「どうしても無理になったらぁ……そこの非常口から逃げるんだぁ〜」なんて、逃げ道まで教えてくれるゾンビなんです(笑)。
最初は怖がっていた子どもたちも、「あれ? このゾンビ怖くないな」みたいになって、むしろ近寄ってくる。「全然襲ってこないじゃん」って言われたら、「俺はまだ、理性があるっ!」「ゾンビ2割、人間8割だからぁ」って言い訳するんです(笑)。
その「怖いけどめちゃくちゃ優しいひろしゾンビ」がちょっとおもしろかったので、単独ライブでもやるようになりました。といっても、ただ顔に血のりを塗って、「ああー……」って言いながら客席に出て行くだけなんですけどね。
■人生に大切なことはすべてゲームから教わった
さて、昔は夏になると、テレビでさまざまなホラー特集が組まれていましたが、最近はそういう番組をあまり見なくなりました。
僕は、ホラー映画も、ホラーゲームも大好き。昔は「バイオハザード」などゾンビが出てくるゲームや、「かまいたちの夜」などホラー・サスペンス系のゲームをよくやったものです。
「かまいたちの夜」は、雪で閉ざされたスキー場のペンションで、『今夜12時、誰かが死ぬ』というメッセージを見つけてから進んでいくゲーム。サウンドノベルというジャンルを切り開いた作品といわれていて、選択肢次第では自分が死んでしまうこともあります。
手に汗握るスリリングな展開で、10代の頃は家族が寝た後に1人でプレーしていました。
高校生のときに、「サイレントヒル」というホラーゲームをプレーしていたときは、なんだか取り憑かれたようになっていました。「もうやりたくない」と思っているのに、休みの前日の夜中にゲームを起動して遊び始めてしまうんです。
「ああ、くるよ。まただよ」って、夜になるのが嫌で嫌で仕方ない。そんなに憂鬱ならやめればいいじゃないですか(笑)。でも、クリアはしたいんです。「怖えー、怖えー」って、胃を痛くしながら遊んでいましたね。
以前、このコラムで「歴史と地理はゲームで覚えた」と書きましたが、ホラーのおもしろさを教えてくれたのも、やっぱりゲームでした。高校生になってから、本をよく読むようになりましたが、物語を追う楽しさを最初に教えてくれたのは、「かまいたちの夜」などサウンドノベルだったと思います。
息子はいま、「あつまれどうぶつの森」などのゲームを楽しんでいます。ABボタンだけで操作できる、昔のアクションゲームも上手に操作していますね。
ゲームを通して、これからきっと色んな世界が広がっていくんだと思います。もっと複雑な操作ができるようになったら、そのうち、息子と一緒にゲーム実況ができる日がくるかもしれません。
ロバート 山本博
趣味:ボクシング(フェザー級、戦績:1戦1勝1KO、トレーナーライセンス取得)、ポケモン、お城巡り、蕎麦屋巡り、体を動かすこと
特技:ルービックキューブ、ロボットダンス、オカリナ、運動保育
【育児絵日記Instagram】yamamotohiroshipapa
