撮影:モリサキエイキ

Comic

貧乏、売れない…それでも笑う!ロバート山本が語る「芸人のたくましさ」

山本さんが芸人として、パパとして、気づきを綴る本連載。

第84回は、芸人のたくましさについて。
中学時代の同級生の思い出を引き合いに、どんなときでも笑っていられる「芸人のすごさ」について語ってくれました。

 

■人気者だった同級生はいま……。


コロナ禍で、僕ら芸人の仕事にも、少なからず影響が出ています。特に若手は、精神的にも経済的にも不安を感じているはず。そんな中でも、「芸人ってたくましいな」って思ったエピソードをお話ししようと思います。

中学生のとき、人気者だった男友だちがいました。女の子だけに人気があるわけじゃなく、男からも「いい奴だな」って好かれていたんです。

運動ができて、勉強もそこそこできて、顔もまあまあ良くて、生徒会役員にも率先して立候補する。皆の前に出ると、ちょっとふざけて笑いを取るから、後輩からも大人気でした。

僕は彼と違ってイケてない中学生だったので、人前になんて出たくなかったし、日直の日は休みたくて仕方ありませんでした。だから、彼のことを「すげー奴だな」と思って見ていたんです。

彼はいま、結婚して子どももいて、地元の会社で働いています。端から見たら順風満帆な生活なのに、彼自身はどうやらそう思っていないみたいで……。

数年前に同窓会で集まったとき、彼は1人でめちゃくちゃ笑いながら、「いやー、今日はマジでおもしろいな」ってずっと言っていたんです。「このくらい普通だろ」ってみんなで突っ込んだんですけど、「いや……」ってシュンとしちゃって。

「奥さんとは会話がないし、娘と話すときは気を遣われるし、会社ではルーティンワークばかりだし。田舎には飲み屋も少ないから、家で缶ビールを開けて飲むのが唯一の楽しみなんだ」って、寂しそうに笑っていました。

確かに、昔の輝きは感じられなかったけど、彼は生活に困っているわけでもない。端から見たら、「何が不満なんだ?」って言いたくなるくらい、いい人生を送っていると思うんですよ。
 

■芸人が集まればいつでも笑いが起こる


「もっと不幸な人はたくさんいる」と、言いたいわけじゃありません。
ただ、僕はこれまで、びっくりするほど運がない芸人や、何かと災厄に巻き込まれる芸人をたくさん見てきました。
「どうしてそうなるの?」って言いたくなるくらい、不幸の引き寄せ力がハンパないんです(笑)

めちゃくちゃ貧乏な芸人も、お笑いだけでは食えない芸人もたくさんいます。コロナ禍で仕事が激減し、そういう芸人はさらに増えるかもしれません。

ただ、そんなことは気にしないと言わんばかりに、みんないつも笑っているんですよね。まぁ、「笑ってる場合じゃねーよ」って突っ込みたくなるほど、深刻な事態に陥っている人も時々いるんですけど(笑)。

貧乏だったり、悩みがあったりしても、芸人が集まったらずっと笑っている。無理に笑っているわけじゃなくて、ただおもしろいから笑っているんです。

よく考えたら、失敗しても笑ってもらえるのはちょっと特殊なポジションです。「へこんでるから、そっとしておこうぜ」って周りに気を遣われるような失敗も、芸人はバンバンいじられるし、いじられてなんぼだと考えています。

客観的に見て、すごくたくましい人たちの集まりだと思いますし、だから僕は芸人っていう仕事が好きなんです。

 

■秋山の「種を見つける力」はすごい


芸人自らの悲惨な体験を基に、名コントが生まれることもあります。

コントのネタを考える人たちって、育てたらおもしろそうな種を見つける嗅覚が、ものすごく発達しているんです。
不幸な目に遭ったとき、落ち込むより先に「これネタにしたらおもしろいじゃん!」と喜んでいるのは、芸人と作家だけだと思います。

「悲惨な体験から種を探す」という話からはちょっと逸れますが、うちの秋山も、おもしろそうな種を見つける能力に長けた芸人の一人。秋山って、子どもの頃の記憶が人一倍、鮮明に残っている人間なんですよ。

例えば、「小学校4年生のときに聞いたCMソング」とか「CMに出ていたおじいさんの足の動き」とか、そういうことを細かく覚えている。音楽の授業でたった1、2回歌った曲も、歌詞まではっきり覚えているんです。

たまに、「こういうCMあったじゃん」「こういう曲習ったじゃん」って突然言われることがあるけど、僕も馬場も「そんなに詳しく覚えてねーよ!」って(笑)。ただ、その秋山の記憶がコントの種になることもあるので、ありがたいんです。

種を育てる方法はたくさんありますが、新しい種を見つけるのは難しい。そういう部分で、秋山はやっぱり芸人としてすごいなと思うんです。本人には言わないですけど。

 

ロバート 山本博

2018年で結成20年を迎える、お笑いトリオ・ロバートのメンバー。テレビ番組や劇場でのコントではツッコミとして活躍する一方、ボクシングのトレーナーとしてレッスンを開講したり、相方の秋山竜次から「むちゃぶり」で描かされた「むちゃぶりかみしばい」(文芸社)が出版されるなど、多方面に渡って活動している。

趣味:ボクシング(フェザー級、戦績:1戦1勝1KO、トレーナーライセンス取得)、ポケモン、お城巡り、蕎麦屋巡り、体を動かすこと
特技:ルービックキューブ、ロボットダンス、オカリナ、運動保育

【育児絵日記Instagram】yamamotohiroshipapa
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