撮影:モリサキエイキ
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ロバートがホストを務める“聴く”コント番組がスタート!3人が盗聴を…
ロバートの山本博さんが芸人として、パパとして、気づきを綴る本連載。
第95回は、ロバートのみなさんがホストを務める「聴くコント」番組について。新しい試みにはどんな狙いが?
■聴くコント番組、はじめました。
10月から、音楽ストリーミングサービスのSpotifyで、僕らロバートがホストを務めるオリジナルポッドキャスト番組『ロバート presents 聴くコント番組~秋山第一ビルヂング~』がスタートしました。
架空の雑居ビル「秋山第一ビルヂング」のオーナーを秋山が務め、僕はテナントのカフェ経営者。馬場は隣のビルのオーナー役で、毎回ゲストとして登場する芸人たちのいざこざ……たとえば、ジャルジャル出演回では「ジャルジャル商事」という設定で、仕事終わりのコントをする様子を、僕ら3人が盗聴している、という形式で進行する「聴くコント番組」です。
Spotifyにとってコント番組としてはもちろん、コメディ分野としても日本初の試みなんだそうです。何事も「史上初」は嬉しいものですね。
この「聴くコント」というコンセプトが新鮮で面白いんです。よく、落語をCDなどの音だけで楽しむ方っていますけど、音だけの方がいろんな想像を膨らませることができて、一人一人のキャラクターの表情も浮かんでくるんです。
よく、「ラジオは無音が怖い、間が空きすぎると不安になる」と言われるんですが、むしろその間によって、「今、すごい困った顔してるんだろうな」と頭に浮かんでくる。だから、まったく間が怖くないんです。
■「聴くコント」なら、お金をかけずに化け物にも巨人にもなれる
僕らのこれまでのネタのなかには、「舞台でやってみたものの、あんまりかな」というのもありました。ただ、舞台ではあんまりだったけど、しっかりと聴いてみたら面白いネタ、というのはあるんです。
たとえば、舞台ではどうしてもド派手な衣装や顔が変なキャラクターをメインにしがち。でも、ネタによって本質は見た目じゃなくて会話劇というものもある。会話をしっかり聴いてみたら面白い、といったネタもたくさんあるはず。
これまでは埋もれるだけだったそういったネタにも、「聴くコント」なら光を当てられるかもしれない。コントの新しい魅力を感じています。
それに、コントというのは、やれ舞台背景だ、衣装だ、カツラだ……とお金が結構かかるもの。テレビでコント番組が減ってしまった要因のひとつ、ともいえます。
でも、「聴くコント」なら、お金をかけずに化け物にもなれるし巨人にもなれる。秋山にしても想像力・イメージがますます生きてくるんじゃないかなと思います。
僕らロバートのネタのほとんどがそうですが、秋山が思いついてまずはやってみる、というところから全てはスタートします。秋山から説明を受けて「それどうやってネタにするんだ?」と思うこともあります。
でも、思いついたことはひとまずやってみる。舞台にかけてみて、「こりゃダメだ」となることだってある。でも、やってみてダメなら次をやる、その中で盛り上がったものが出たら残せばいい、というのがロバートのスタンスなんです。
■「はじめから成功を狙わず、まずはやってみる!」がロバート流
僕は会社勤めをしていないのであくまで想像ですが、世の企画会議なんかは、きっと、「100%成功が見えたのものじゃなきゃ通らない」と言うことが少なくないんじゃないかと思います。
でも、ロバートは、50%でもいいから、まずは実際にやって合わせてみる。やっていくことで十八番のネタになるかもしれないですから。
その代わり、とにかく手数を出し続ける。秋山がすごいのは、アイデアをどんどん出し続けること。おそらく50%どころか、10%も見えてないものだってありますよ。でも、何個も出して、1つでも受ければそれは凄いことなんです。
僕が本まで出した「無茶ぶり紙芝居」がまさにそうです。秋山からの無数の無茶振りの中にあった「博に紙芝居を描かせてみよう」という思いつきが出発点。僕は絵なんてヘタクソだし、ストーリーを考える自信だってなかったです。本当なら、「絵の練習をして上手くなったらちょっと描いてみる」という順番だと思うんです。
でも、秋山は「絵をほとんど描いたことのない博に描かせる」ということを面白いと思ったわけですから、とにかくひとつ形にする。描いてみた結果、「意外といい話になってるじゃん」とウケたから、さらに続けてみる。それを繰り返したことで、まさかの本という形で世に出すことができました。
だから、秋山の思いつきがなければ、僕の下手くそな絵本を世に出すことはなかったし、この連載だってやっていなかったかもしれない。そう考えると、なかなか感慨深いです。
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ロバート 山本博
2018年で結成20年を迎える、お笑いトリオ・ロバートのメンバー。テレビ番組や劇場でのコントではツッコミとして活躍する一方、ボクシングのトレーナーとしてレッスンを開講したり、相方の秋山竜次から「むちゃぶり」で描かされた「むちゃぶりかみしばい」(文芸社)が出版されるなど、多方面に渡って活動している。趣味:ボクシング(フェザー級、戦績:1戦1勝1KO、トレーナーライセンス取得)、ポケモン、お城巡り、蕎麦屋巡り、体を動かすこと特技:ルービックキューブ、ロボットダンス、オカリナ、運動保育【育児絵日記Instagram】yamamotohiroshipapa
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