撮影:モリサキエイキ
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ロバート山本の上京物語…八王子、ファンに家バレそして珍事件も!?
ロバートの山本博さんが芸人として、パパとして、気づきを綴る本連載。
第111回目は、山本さんが芸人の道を選んだ、人生最大の転機について。
■憧れの大東京は……八王子
春は引っ越しの季節でもありますよね。僕が群馬から芸人になるために上京したのは、高校を卒業した18歳の春。お笑い芸人になろう!と誓った地元の友だちと最初に住んだのは八王子でした。
一応、最初は下北沢とか渋谷とか、いわゆる「地方民が憧れる東京の街」の家賃も調べてみたんですけど、「冗談でしょ!?」という値段ばかり。お金を貯めたいと思っていた僕らにとって、大事なのは憧れよりも現実でした。
なぜお金を貯める必要があったかというと、吉本の養成所、NSCの入学資金です。芸人になろうと決意したのが高校卒業間際。もう養成所の願書締切りには間に合わなかったんです。
「それなら、1年後の養成所資金を貯めるためにもまずはアルバイトだ」「バイトするだけなんだから、家賃も安くてバイトのしやすい場所がいいだろう」と探していった結果、八王子に落ち着いた形です。
群馬の田舎から都会に出てきたはずが、都心までメチャクチャ遠かったですね。ただ、僕にとってはは八王子が大都会にしか見えませんでした。住んでるうちに慣れては来ましたが。結局、1年間は八王子でアルバイトに精を出しました。
■鈴木拓さんと仲良くなれた『はねるのトびら』裏話
八王子はいい街でしたが、当時の相方が彼女と同棲することになり、僕は部屋を出なくちゃいけなくなりました。そんな僕が次に選んだのは、神奈川の相模原市です。八王子よりもさらに都心まで遠くなりました(笑)。
養成所時代はもちろん、仕事を始めてからもしばらくは相模原から通っていました。ただ、新宿まででも1時間半以上かかってしまい、やはり移動は大変です。仕事が終わる頃には終電がない、なんてことはよくありました。
当時は番組からタクシーチケットをもらえましたけど、さすがに相模原までのタクシー代は高すぎますからね。一度、打ち合わせの時間を勘違いして自腹でタクシー移動したことがありましたけど、片道だけで2万円以上しましたから。
『はねるのトびら』が始まった当初、収録が深夜に終わる場合は、神奈川県海老名市に当時住んでいたドランクドラゴンの鈴木拓さんの車に乗せてもらって帰ることがよくありました。おかげで、鈴木さんとは特に仲良くなりましたね。
ただ、いつも鈴木さんと終わり時間が揃うわけじゃありません。時間が合わないときは、みんながタクシーで帰るなか、ひとりフジテレビに残って仮眠室で寝て、朝の始発で帰らなきゃいけない。
これはさすが体力的にもキツかったので、ついに相模原から引っ越すことに。といっても、都内の先輩の家に一緒に住ませてもらって家賃の一部をお支払いする、といった時代もありました。
■怪奇!勝手に電気代を払うファン
収入が安定しない芸能界は、住む家をどうするか、というのは切実な問題です。ファンの方や追っかけの人に家バレして、引っ越しせざるをえなくなった方もたくさんいらっしゃると思います。
こんな僕でも、家に帰ってからコンビニに買い物でも行こうかなと玄関を開けた瞬間、5人くらいの人がブワーッと散り散りになっていきました。中には見たことある顔のお客さんもいたり。もちろんオートロックマンションなんて住めませんでしたから、用心してない人間をつけようと思えば家の目の前まで来れてしまうんですよね。
なかには郵便物を見る人もいて困りました……。一度、ポストに入っている電気代の領収書を勝手に開けて、そして勝手に支払いを済ませてくれた人がいます。とってもありがたいですけど、それ犯罪ですよね(笑)。
僕も含め、ロバートは3人とも一ヶ所に長く住むタイプです。馬場と秋山は若手時代に一緒に住んでましたけど、それぞれ一人暮らしするようになってからもあまり動いていないと思います。芸能界は引っ越しを頻繁にする方も多いので、珍しい方なのかもしれないですね。
芸能界では、「身の丈よりもいい部屋に住んだ方が売れる」といった都市伝説みたいなものがあります。かく言う僕も、ちょっと頑張った家賃に住んでいた時期がありました。でも、その分って結局、食費を切り詰めていくだけなんで、僕はあまりオススメしません。
ただ、家賃の高い部屋というのは「仕事場に近い」という意味でもあります。ちょっとした空き時間に家に帰れる、というのは確かに利点。忙しくて少しでも寝る時間を取らなければという人にとっては、その循環が体力回復やストレス解消につながって、結果としていい仕事につながっていくのはあるかもしれないですね。
撮影/モリサキエイキ 構成/オグマナオト 企画/mamagirlWEB編集部
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2018年で結成20年を迎える、お笑いトリオ・ロバートのメンバー。テレビ番組や劇場でのコントではツッコミとして活躍する一方、ボクシングのトレーナーとしてレッスンを開講したり、相方の秋山竜次から「むちゃぶり」で描かされた「むちゃぶりかみしばい」(文芸社)が出版されるなど、多方面に渡って活動している。趣味:ボクシング(フェザー級、戦績:1戦1勝1KO、トレーナーライセンス取得)、ポケモン、お城巡り、蕎麦屋巡り、体を動かすこと特技:ルービックキューブ、ロボットダンス、オカリナ、運動保育【育児絵日記Instagram】yamamotohiroshipapa
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