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ロバート山本が選ぶ2021熱き戦いは『あしたのジョー』vs『北斗の拳』

撮影:モリサキエイキ

Entertainment

ロバート山本が選ぶ2021熱き戦いは『あしたのジョー』vs『北斗の拳』

ロバートの山本博さんが芸人として、パパとして、日常の気づきを綴る本連載。
第146回目は、山本さんが選ぶベストバウトについて。2021年は『あしたのジョー』vs『北斗の拳』!?

■今年のベストバウトは『あしたのジョー』vs『北斗の拳』

先日も2年ぶりの日本開催で井上尚弥選手の素晴らしい試合がありましたが、今年はボクシングの熱い年でした。もちろん、毎年とても熱いわけですけど、ボクシングファン以外にも盛り上がれる要素があったんじゃないかなと。

オリンピックでは入江聖奈選手が金メダル。世界選手権でも坪井智也選手と岡澤セオン選手の2人が史上初のダブル金メダル。とくに岡澤セオン君については、僕がオリンピック前にいろんなところで「金メダルいけると思います」と勝手なことを語っていたんです。

結果的にオリンピックではメダルに届かず、残念と思っていたら、その3ヶ月後の世界選手権では結果を出せた。世界を獲れる実力があることを証明してくれました。

そんな盛り上がるアマチュア界同様、プロだって熱い戦いばかり。なかでも今年、僕が見たなかでは、9月の矢吹正道vs寺地拳四朗の一戦がベストバウトでした。

ボクシング漫画『あしたのジョー』の主人公・矢吹丈からリングネームをもらった挑戦者・矢吹正道を、『北斗の拳』の主人公・ケンシロウから命名された王者・拳四朗が迎え撃つ一戦。

拳四朗選手にとっては9度目の防衛戦で、「アニメの主人公対決」としても話題に。どちらが勝ったかどうかよりも、お互いが激しく打ち合う本当に最高の試合でしたね。
 

撮影:モリサキエイキ

■矢吹vs拳四朗、好対照すぎる2人

矢吹選手は、どちらかというとたたき上げのボクサー。本名は佐藤正道で、矢吹丈のように生きるんだという覚悟の元、「矢吹」を背負ってずっと戦ってきた。

まだ29歳なのに『あしたのジョー』にハマるのも珍しいなと思っていたら、入場曲は大映ドラマ『スクール☆ウォーズ』の主題歌「ヒーロー」。いい意味での時代錯誤感というか、ちょっと昔の時代の匂いのするボクサーだからこそ愛されるんです。

それに比べて、拳四朗選手はアマチュア時代からのエリート。さらに、SNSも楽しんで使いこなしている今どきタイプ。まったく好対照な2人はどんな試合をするのか、という意味でも注目度は高く、実際にめちゃくちゃ面白い戦いになりました。

普段の拳四朗選手は、相手にプレッシャーをかけ続け、ポイントでも常に優位に立って相手が焦ってきたところで、まさに秘孔のように的確に決める試合がほとんど。でも、この一戦では前半4ラウンドを全部、矢吹選手がポイントを取ったんです。

すると拳四朗選手、このままだと負けると思ったのか、本来のボクシングではない、ちょっと荒々しい殴り合いのスタイルに。その結果、お互いがダメージを受けてフラフラになりながら……最後は拳四朗選手が倒されたんです。10回、矢吹選手のTKO勝利でした。

矢吹選手の「倒しに行くんだ!」という覚悟がオフェンスでの迫力になって、ジャブで止めようとする拳四朗選手のポイントを凌駕した形になりました。倒そうという人と止めようという人の対比であれば、やっぱり倒しに行く人に点数が入りやすいのでしょう。

敗れた拳四朗選手は、これがプロ初黒星。具志堅用高さんの持つ日本記録「世界タイトル戦13連勝」を狙っていたのに、これもストップとなりました。

■リベンジマッチへ……早くも春の楽しみができました。

ただ、この試合はこれで終わりません。試合途中、拳四朗選手が右まぶたを切った場面について、拳四朗選手サイドが「故意のバッティングだった」のではと、試合から1週間後に日本ボクシングコミッション(JBC)に質問状を送ったんです。

「バッティング」というのは、頭やひじを相手にぶつける反則行為。JBCは「故意とは認定できず」と回答したんですけど、この件を巡ってもう論争状態。僕も、こういう判定をめぐる問題は俄然気になります。

確かに、バッティングが入っているようにスロー再生だと見えるんです。でも、そうであれば試合中かインターバルなど審判やジャッジに言わないといけないのかもしれません。なぜあの場で言わなかったのか、という点もまた物議を醸している要因のひとつです。

こうなってしまうと、もうリベンジマッチしかないですよね。お互い相手のことがよくわかった上で、今度はどんなボクシングを見せてくれるのか。2022年春の再戦が決まったと報じられていますので、早くも来年の楽しみができてワクワクしています。


撮影/モリサキエイキ 構成/オグマナオト 企画/mamagirlWEB編集部
 

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ロバート 山本博

ライター
2018年で結成20年を迎える、お笑いトリオ・ロバートのメンバー。テレビ番組や劇場でのコントではツッコミとして活躍する一方、ボクシングのトレーナーとしてレッスンを開講したり、相方の秋山竜次から「むちゃぶり」で描かされた「むちゃぶりかみしばい」(文芸社)が出版されるなど、多方面に渡って活動している。趣味:ボクシング(フェザー級、戦績:1戦1勝1KO、トレーナーライセンス取得)、ポケモン、お城巡り、蕎麦屋巡り、体を動かすこと特技:ルービックキューブ、ロボットダンス、オカリナ、運動保育【育児絵日記Instagram】yamamotohiroshipapa
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