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ロバート山本が語る「父親になるとボクサーは強くなる」説!その理由は?

撮影:モリサキエイキ

Entertainment

ロバート山本が語る「父親になるとボクサーは強くなる」説!その理由は?

 山本さんが芸人として、パパとしての気づきを綴る本連載。第55回は、ボクシングを通して学んだことの続編です。

■独り身のボクサーよりも、パパボクサーのほうが強い説

前回、「井上尚弥vs.ドネア」の世紀の一戦がいかに素晴らしかったか、という話をしました。でも、まだまだ語り足りないので、もうちょっとだけいいですか。あの試合で感じたことっていくつもあるんですけども、「父親になるとボクサーは強くなる」ということもそのひとつ。僕の持論なんですけど、独り身のボクサーよりも、パパボクサーのほうが強いと思うんです。尚弥君もドネア戦で倒れそうになったとき、息子の顔ちらついて立ち直ったと話していました。やっぱり、いざ究極の場面を迎えたとき、走馬灯じゃないですけど、脳裏に子どもの姿が映ると「倒れちゃだめだ、そんな姿は見せちゃダメだ」となるんじゃないかなと。そんな“パパボクサー”のエピソードで思い出すのは、世界3階級を制した「激闘王」八重樫東さん。僕のなかで“ボクシング史上最高の勝利者インタビュー”じゃないかなと思う、素敵なエピソードがあるんです。

■八重樫東さんの、史上最高の勝利者インタビュー

八重樫さんって、一時期、年末の格闘技ビッグイベントに毎年出ていたんです。2014年の年末、ちょうど尚弥君が返上した世界ライトフライ級王座決定戦に挑んだんですけど、残念ながら敗戦。年齢も32歳、引退も考えたそうです。しかし1年後の年末、また世界戦に挑んで、今度は勝利。3階級制覇を達成したんです。僕は八重樫さんと交流があったので、試合前に「3階級制覇目指してがんばってください」とメールで送っていたんですけど、実際に3階級制覇を達成したあとのインタビューで、「みなさん、3階級3階級ってこだわられるんですけど、別に3階級を取りたくて試合をやったわけじゃない。強い男に挑みたいと思って、戦った結果が3階級なだけ。強い人間と戦うってのがボクサーの本分なんです」と。ボクシングファンに対する八重樫選手からのメッセージです。それを聞いて自分のメールが浅はかだったなと恥ずかしくなりました。それとともに、八重樫選手の試合への思いが伝わってきて涙が出てきました。そしてさらに次は、パパとしてのメッセージですよ。「昨年末にボクシングをやめようかと思いました。でも最近やっと子供達がパパの仕事を理解してきたんです。その時に負けて諦めた姿で終わっていいのかと、その姿を見せるわけにはいかないと立ち上がりました」と。最後に、奥さんへのメッセージです。「あ、すいません、最後に、私ごとで申し訳ないのですが…いつもサポートしてくれる奥さん。ありがとう。去年、渡せなかった誕生日プレゼントです」と。チャンピオンベルトを奥さんに渡したんです。実は奥様は年末が誕生日なんです。1年越しでの誕生日プレゼントを受け取って奥様は涙していました。もう、ボクサーとして、パパとして、旦那として、全てが詰まった勝利者インタビュー。この3つの立場からのメッセージを伝えてくれたインタビューを聞いて、僕は号泣です。 そういったボクサーたちのバックボーン、何を背負って戦っているのか、どんな思いでリングに上がっているのか、といったこともわかると、ボクシングってもっともっと面白くなると思うんです。

■志半ばで諦めた人間の方が、熱を持って指導できる説

親子の関係性でいえば、井上家の生き様も凄まじいですよね。とくに、ずっと指導してきて、今もセコンドにいる尚弥君のお父さん、井上真吾さんの熱量が凄いんですよ。僕もよくこの連載で、「息子にボクシングをやってほしい」と言ってますけど、それは僕がボクサーとして不完全燃焼だったからかもしれません。逆に、チャンピオンになった人って、皆さん決まって、「子どもにはやってほしくない」と言うんです。頂点にたどり着くまでの辛い世界を知っているから。だから、僕みたいに志半ばで諦めた人間の方が、熱を持って指導できたりするのではないでしょうか。ただ、井上家の熱量は僕なんかと比較しちゃダメですけどね。尚弥君のお父さんもボクシングを始めたのが遅くて、まだ数試合しか経験できていないときに子どもが生まれ、家族のために仕事をしなくちゃ、とボクサーでいることを諦めた方なんです。尚弥君もそんなお父さんの思いをわかっているから、試合で使うボクサーパンツのベルトラインに、ずっとお父さんの塗装会社の社名を刻んで戦ってきたんです。ボクサーは、一番心臓に近いベルトラインに、一番大切なモノを刻みます。ボクサーのパンツにも選手の思いが宿っているんです。でも、尚弥君に息子さんが生まれてからは、息子さんの名前に変わったんです。名前公表も迷ったらしいですが、それも背負って闘いたいとバシッと刻んでいます。それもまたいいですよね。父と子の関係性が次世代に続いているという意味でも。いやぁ、やっぱり、ボクシングって素晴らしいスポーツだよなぁ。

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ロバート 山本博

ライター
2018年で結成20年を迎える、お笑いトリオ・ロバートのメンバー。テレビ番組や劇場でのコントではツッコミとして活躍する一方、ボクシングのトレーナーとしてレッスンを開講したり、相方の秋山竜次から「むちゃぶり」で描かされた「むちゃぶりかみしばい」(文芸社)が出版されるなど、多方面に渡って活動している。趣味:ボクシング(フェザー級、戦績:1戦1勝1KO、トレーナーライセンス取得)、ポケモン、お城巡り、蕎麦屋巡り、体を動かすこと特技:ルービックキューブ、ロボットダンス、オカリナ、運動保育【育児絵日記Instagram】yamamotohiroshipapa
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