撮影:モリサキエイキ

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ロバート山本がおすすめ!映画も小説も面白い『燃えよ剣』の魅力とは?

■新撰組を人気グループに押し上げた『燃えよ剣』

正直言って、新選組なんて本来は日の目を見るような存在じゃないんです。まず、武士じゃなかったわけですから。

たとえば、織田信長や徳川家康だったら、天下統一を目指す上での生まれながらのポジションというか、出自からの名のある武家で生まれているわけです。戦国時代じゃなくても、幕末の徳川慶喜や坂本龍馬も……まあ、龍馬も有名になるべくしてなる家柄ではないんですけど、有名になる歴史上の人物ってだいたい名家出身です。「生まれながらにして期待された人たち」ということですね。

それに対して新選組は、基本的に農民やゴロツキの集まり。剣術も、なかなか実戦で使われない江戸時代に増えた剣術道場、いわゆる「剣道」で学んだ趣味に近いもの。そんななかで腕っぷし自慢の奴らが集まってできた戦闘集団です。

なぜ彼らが台頭できたかといえば、幕末になって急に訪れた動乱期、「自分の命を幕府のために……」なんて気概のある人物は武家出身にはいない。むしろ、「幕府と共倒れするわけにはいかない」と、自分の家を残すことに必死だったりします。

そんな時代において、「俺なんか無名だし命がけで幕府を守ってやるよ」という気概を見せたことで、農民上がりにもかかわらず、結果として武士扱いとして認められたのが新選組なんです。

ただ、自分たちの命が明日あるかもわからないような生き方で、反幕府勢力をバンバン斬っていくものだから、相当怖かったらしいです。だんだら模様の羽織を着て、「誠」の文字を掲げているから、「俺たちは正義」みたいな空気ありますけど、見方を変えれば暗殺集団ですからね。そんな新選組を人気グループに押し上げるのに一役も二役もかっているのが『燃えよ剣』なんです。

■映画も小説も、『燃えよ剣』おすすめです。

司馬遼太郎作品のファンの方は世の中にたくさんいますので、若輩者の自分が語るのも僭越ですけども、僕個人の感想として、司馬作品の魅力的なところは「滅びの美学」なんです。結果的に負けてしまったけど、こんなに熱い思いがあったんですよ、という。

歴史を作るのはいつも勝者。でもその陰にある、壮絶な戦いの果てに敗れた者たちの気持ちを色濃く書いてくれた、というのが司馬作品にはたくさんあって、名作揃いだからこそ、ずっと読み継がれている。

新選組なんか、司馬先生が書かなかったらここまでの人気になっていなかったのではないでしょうか。もちろん、新選組を知っている歴史好きはたくさんいたと思いますけど、僕くらいライトな歴史好きは、エンターテインメントとしての新選組、やっぱり『燃えよ剣』が面白いんです。

だからこそ、今回の映画に僕も出たいと思ったわけですし、ぜひとも観ていただきたい。そして、映画を通して新選組に興味をもったら、歴史好きじゃない人でも小説版『燃えよ剣』はぜひおすすめしたい作品です。新選組の格好よさとか熱さとか、名シーンもたくさん出てきますから、シンプルに楽しいですよ。歴史好きというより、読書好きな人全員にオススメの本です。


撮影/モリサキエイキ 構成/オグマナオト 企画/mamagirlWEB編集部

ロバート 山本博

2018年で結成20年を迎える、お笑いトリオ・ロバートのメンバー。テレビ番組や劇場でのコントではツッコミとして活躍する一方、ボクシングのトレーナーとしてレッスンを開講したり、相方の秋山竜次から「むちゃぶり」で描かされた「むちゃぶりかみしばい」(文芸社)が出版されるなど、多方面に渡って活動している。

趣味:ボクシング(フェザー級、戦績:1戦1勝1KO、トレーナーライセンス取得)、ポケモン、お城巡り、蕎麦屋巡り、体を動かすこと
特技:ルービックキューブ、ロボットダンス、オカリナ、運動保育

【育児絵日記Instagram】yamamotohiroshipapa
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