撮影:モリサキエイキ

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岡田准一さん「僕に斬られますか?」の提案にロバート山本はどう答えた?

■「よかったら山本さん、僕に斬られますか?」

僕がいただいた役は、「旧幕府軍死体」。周りには60~70人のエキストラの方がいましたけど、特に誰にも「ロバート山本だ」と気づかれず、死体役の格好で血のりをつけて、何度何度も現場に立ち続けました。
 
ときには、「あ、これ100%映ってないな」とわかるカメラ位置の時もあります。そんなときでも、「俺は今、この映画の背景として機能しているんだ」と信じて、ひたすら死体役を務めあげました。
 
そんななかで、ある事件が起こります。エキストラしかいない集合場所に主演の岡田准一さんがやって来たんです。もう、みんな騒然です。「うわ、土方歳三だ」「岡田さんがこっちに来た!」と驚くなか、岡田さんは僕の前で足を止めて、「山本さんですよね?」と声をかけてくださいました。
 
なぜ、気づかれたのかというと、以前の原田監督作品「関ヶ原」でもボランティアエキストラで参加していたので、それを知っていた藤堂平助役で出演している、はんにゃ金田が「今回もエキストラで山本さん参加するかも?」と話しをしていたらしいのです。

しかし、その日僕は旧幕府軍の一兵士の気持ちになっているため、土方さんから声をかけられてあまりのことに目を合わせることもできず、「山本さんですよね?」の質問に対して、伏し目がちに「はい」とゆっくり返事。そんな僕に岡田さんは、「もしよかったら山本さん、僕に斬られますか?」と提案してくださったんです。
 
この映画でも岡田さんは自ら殺陣を作り撮影されているので、一人増やしたりなどできたのでしょう。エキストラの自分からしたらカメラに映るし、土方歳三に斬られるなどこんな大チャンスはありません。でも、僕はそのとき「旧幕府軍の死体」として撮影参加していましたので「いえ、結構です」とお断りしました。
 
もう岡田さんも、周囲の皆さんも「え?こいつ、マジで言ってんのか?」という顔をされていましたね。
 

■俺はきょう、『旧幕府軍死体56番』

その後、死体役以外にも、旧幕府軍負傷組という役でも急遽参加させていただきました。土方歳三演じる岡田さんが「会津若松城が攻撃されています」と仲間に言われているシーンなんですけど、そのめちゃくちゃ遠くで座っている、というポジション。でも、死体役のときよりもカメラアングルとしては映っていてもおかしくない位置だったんです。
 
「これは、岡田さんと共演できたかも」とワクワクした気持ちを抱えて試写会でそのシーンを見たんです。いやぁ、最初はまったくよくわからず。でも、よぉく探したら、かなりボヤけながらも人がいるような・いないような……という影みたいなのがあったんです。「あーっ、これ俺だ!」と。
 
これは絶対に、僕以外は気づきません。というか、気づけません。めちゃくちゃピンボケした一人の負傷兵がいるんですけど、それは私です! こうして、なんとか岡田さんと共演することができました。
 
そんなに共演したかったのなら斬られ役を受けなさいよ。という話だと思うんですけど、あそこで受けたら、今後もうエキストラとして参加できないなと思ったんです。
 
ほかのエキストラさんも映らずとも演じられてるのに、そういう特別扱いの参加はエキストラ精神に反しているなと思いました。「俺はきょう、『旧幕府軍死体56番』の役で参加しているんだ」という、変なこだわり。なので、断ったことは今でも後悔していないです。

ただ、わざわざエキストラ集団の中に来て、僕に声をかけてお誘いしてくださった岡田さんの気遣いは、決して忘れません。ありがとうございました。


撮影/モリサキエイキ 構成/オグマナオト 企画/mamagirlWEB編集部

ロバート 山本博

2018年で結成20年を迎える、お笑いトリオ・ロバートのメンバー。テレビ番組や劇場でのコントではツッコミとして活躍する一方、ボクシングのトレーナーとしてレッスンを開講したり、相方の秋山竜次から「むちゃぶり」で描かされた「むちゃぶりかみしばい」(文芸社)が出版されるなど、多方面に渡って活動している。

趣味:ボクシング(フェザー級、戦績:1戦1勝1KO、トレーナーライセンス取得)、ポケモン、お城巡り、蕎麦屋巡り、体を動かすこと
特技:ルービックキューブ、ロボットダンス、オカリナ、運動保育

【育児絵日記Instagram】yamamotohiroshipapa
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