ロバート山本が語る、2022年の計は…日本の“名城”を制覇！？

■「土」が「成る」と書いて「城」

じゃあ、そんな砦跡を見てなにが楽しいかといえば、そこでどんな防衛ラインを敷いて攻撃を防いだのか、という戦略部分の想像。これは楽しいですよ。

たとえば「堀切」。山の尾根を伝って兵が渡ってくるのを防ぐため、山の尾根をごっそり削って作った人工的な崖が「堀切」です。そうやって昔の人たちは、山を掘ったり埋めたり、様々な工夫で城を作り、守っていた。

漢字の成り立ちからしてそうですよね。「土」で「成る」と書いて「城」。だから、お城の原点は土なんです。土を掘ってお堀を作り、掘り出した土で土塁を作って高さを生み出していく。攻撃はできるだけ高い場所から攻めた方が強いですから。弓矢だって下から打つよりも上から打つ方が２倍飛ぶし、殺傷能力も高くなります。

こんな風に、なるべく相手よりも上を取りたい、というのが昔の戦い方。だから不便そうであっても「山城」が求められる。でも、現代においてそんな山に登ってまで行くのは大変だから観光地にはなりにくく、100名城には選ばれにくかったり、というわけなんです。

……こんな話をしていたら「続100名城」にどんどん行きたくなってきました。というわけで、今年はこれまで以上にお城をしっかり見て回りたいと思います。
 

撮影／モリサキエイキ　構成／オグマナオト　企画／mamagirlWEB編集部