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【第10回】イヤイヤ期、トイトレ、こうやって乗り切った!
イヤイヤ期って結局のところなんだろう?
息子が0歳児の頃、月齢が高くなるにつれ周りから漏れ聞こえるようになっていった「イヤイヤ期」とか「魔の〇歳児」という言葉。いつかうちのこの天使のような息子にも、そんな時期がやってくるのかしら?と他人事のように聞いていました。そして1歳になり、2歳になり…あれ?もう気付けば3歳7カ月。イヤイヤ期って、いつだったんだ?というのが私の個人的な感想です。もちろん決して、うちの息子にはイヤイヤ期なんてなかったのよ、どやっ!とマウントをとりたいわけではありません。振り返ってみると、確かに思い通りにならないと泣いたり、おもちゃ屋さんから帰れなくなったり、そんなことは成長の過程でありましたし、なんなら今でももっとテレビが見たいなどと時折メソメソしたりしています。私はおそらく息子の「イヤイヤ期」を「イヤイヤ期」と定義せずに通り過ぎてきたのです。
そもそも「イヤイヤ期」ってなんなんでしょうか?便利でわかりやすい言葉ですが、それぞれの子どもによって全然違う個性的な成長過程があるはずです。ある時、買い物の途中、息子が本屋さんの絵本コーナーの前で、もうテコでも動かない!という感じになってしまったことがありました。最初は優しく声掛けをしていても、だんだん言うこと聞かない息子にイライラしてきて私も語気を強めて…。でもふと客観的に考えてみたら、息子の主張は、もっと本屋さんにいたい!まだ帰りたくない!というもので、私の主張は、もう帰る時間だから帰りたい!というもので、それってほぼ同じ「自分の思い通りにしたい」というものですよね。私は大人だから、「折り合い」を付けやすかったり、「次の予定への時間の逆算」ができるけれど、息子はそれができないぶん不利なだけです。そう気付けたら、あぁこういうイヤッを繰り返しながら、「折り合い」や「逆算」や「優先順位」やその他いろいろの生きていく上での必要な思考を身につけていくんだ、いまはその途中なんだ。と思えるようになりました。これが、私にとっては結果的にすごく良かったと思っています。「イヤイヤ期」と認識した上で、それをなんとか乗り越えよう、と無理をしたり頑張ったりしていたら、きっと思い通りにならなくてイライラして、私までもがイヤイヤ期に突入していたはずです。
おむつ卒業までの道のり
お次はトイトレについて。息子が2歳6カ月の冬、SNSで同じくらいの月齢の子が「おむつとれました!」と載っているのを見て度肝を抜かれた私。「おむつは夏の方がとれやすいっていうし、3歳になってからやろ~」と呑気に構えていたので本当に衝撃でした。慌てて可愛い補助便座を買い、ひとまずトイレという場所になじんでもらうことから始めましたが、手応えゼロ。水の流れる音を聴いたら尿意が湧くかな?と、水音をかけてみたり、色々試しましたが、ぽかーんという感じで、流すボタンにだけ興味を持ってしまい、何度も水を流されるので水道の無駄だ!と思いいったんはトイトレを断念。2歳10カ月の春、幼稚園のプレに行き始めるタイミングで、今度はおまるを買って、おまるでトレーニングを再開しました。これが息子にはヒット!力を入れやすいし、トイレという異空間でないから安心するのか、すぐにできるようになりました。
私だけのオリジナル○○ダンスはトイトレ負の遺産
おまるで成功したらシールを貼ろうね、というシートをつくり、それがいっぱいになったら次はトイレでおしっこにチャレンジだよ!と言い続け、その通りスムーズにトイレに移行しました。ところが難関だったのがうんち。うんちはどうしても、トイレだと踏ん張りどころが分からなくなるからかできず、座ってはみるものの、おまるに逆戻り。そんなことを繰り返しているうちに、便意のタイミングを失って、便秘気味になってしまったりもしました。そんな中、「トイレが嫌いになってしまっては困る!」というのが私の頭の中にすごくあって、なので、息子がうんちをしたいとトイレに入ったら、私が「雨乞い」ならぬ「うんち乞い」のダンスを踊る、というのを習慣にしてみました。これが息子に大受け。楽しい気持ちで便座に座るのを繰り返していた3歳1カ月の夏、忘れもしない私の誕生日の朝、初めてトイレでのうんちに成功しました!誕生日プレゼントが息子のうんち、というのも変な話ですが、本当にうれしくて泣きながら息子を抱きしめて、嫌がられるくらいに大げさに喜び、褒めまくりました。その日を境に、完全にトイトレを卒業し、本人もご満悦でボクサーパンツを履いています。初めてボクサーパンツを洗濯して干したときの、あの嬉しいような、ちょっと寂しいような気持ちは忘れられません。ちなみに、「うんち乞い」のダンスは、よっぽど面白かったらしく、未だにリクエストされます…。我が家のトイトレの負の遺産です(笑)
型にはめずにのびのびと育てたい
育児書には分かりやすい目安が書かれていますが、実際は子どもの数だけ、色んな成長過程があるはずです。「魔の〇歳児期」も「トイトレ」も確かに人と比べると焦ったり不安になったりしますが、うちの子はうちの子。子ども自身も、小さな身体と小さな心で、成長の変化に戸惑いながら奮闘しているはずなので、柔らかい気持ちで、無理をせず寄り添ってあげられたらいいのかな、と思います。喉元過ぎれば熱さを忘れるのが育児のいいところ。何年か後には、「あの頃つらかったな~」とか「うんち乞いダンスしてたな~」とかきっと思えるはず。私も全然偉そうに言えたもんじゃありませんが、自分とは違う意思を持った人間としての息子を、平均の型にはめようとせず、のびのびと育てていきたいなと思います。…とか言って、数年後もまだうんち乞いダンス踊らされてたらどうしましょうね。その時は笑ってやってください。
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2022.02.12
愛が温泉のように湧き出る家を目指す!
飯田 佳奈子
テレビ東京「シナぷしゅ」プロデューサー。湘南在住34歳、同じくテレビ局勤務の夫と3歳の息子の3人家族。好きな食べ物はエビ、たらこ、たけのこ。同じくエビ好きの息子にエビを全部食べられるのが悩み。
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