蒼井優さん「“ママ”という存在にものすごく勇気をもらっています」映画『それいけ！アンパンマン　チャポンのヒーロー！』でチャポン役に挑戦

■映画『それいけ！アンパンマン　チャポンのヒーロー！』でチャポン役に挑戦

ーー最新作の見どころについて、アフレコをしたときのイメージと、実際に映像で見たときにどんなことを感じましたか？

蒼井優（以下、蒼井）：台本を読んだときから、大人たちにも伝えたいメッセージが根底にあるなと思いました。やなせたかし先生が手がけた『アンパンマンのマーチ』にもあるように、「何のために生まれてきたのか」ということは自分にも問いますし、出生の秘密を知ったチャポンにかけるアンパンマンの言葉がほんとうに素晴らしくて。世界中の人に見ていただきたい作品だなと思いました。

ーー中でも新鮮に感じたのはどのシーンでしょうか。

蒼井：お風呂あがりにチャポンがアンパンマンに頭を拭いてもらうシーンがあるのですが、台本を読んだときにはうれしくてグフグフしていました（笑）。実際の私ではないものの、チャポンの声をやらせていただいたので、夢のようなカットでしたね。最後の戦いなどは台本上で、あまり想像はできなかったのですが、ものすごく迫力があって感動しました。

ーー今作はチャポンの成長が描かれています。どんなふうに演じたいなど、事前にどんなことを考えていましたか？

蒼井：まずは子どもにバレないように。私は声が低いのですが、表に出るときはちょっと高めに出すんです。子どもが知っている私の声がチャポンに入らないように気をつけました。あとは、明るくて元気な男の子なので、ふだんはやることのないテンションですけどがんばりました（笑）。チャポンが成長していく物語で、その変化も「思い切りやって大丈夫です」と言っていただけたので、ほんとうにのびのびやらせていただけて感謝しています。

ーーお子さんにはまだ伝えていらっしゃらないのですね。

蒼井：そうなんです。周囲からバレないといいなと思いますね。

ーーしばらく伏せておきたいのは、『アンパンマン』の世界を大事にしたいっていう思いからでしょうか。

蒼井：はい、大切にしたいです。本当にアンパンマンが大好きなので、自分の日常と『アンパンマン』が直結していると思わせたらかわいそうかなと思って。集中して見させてあげたいですし、お母さんががんばって高い声を出していると思われても…なんだか（笑）。
映画を観に行った子どもたちには、来場者特典でマラカスがもらえるので、皆さんと一緒に映画館で応援したいと思います。

ーーさきほど、のびのびとアフレコできたとのことでしたが、蒼井さんが実写で出演するのと声のお仕事とで違いを感じたことは？

蒼井：声優をやらせていただいてすごくうれしいのが、このキャラクターを実写でやるとなったら私にはお話が来ないじゃないですか。男の子の役をやらせていただけるっていうのと、空を飛んだりっていうことを、声だけだといくらでも体感できる。実写となると、吊ってもらって…一生懸命みんなで撮る。自分の声次第で、どうとでもできるところに、ああこれは…声優さんは大変なお仕事だろうけど、ほんとうに楽しくって夢がある仕事だって。声優さんは心が若い方が多いんじゃないかと思っているんです。こうした世界にみんなが職人技もありながら没入しているって、それはそうなりますよねって思いました。

ーーまた違った感覚があった。

蒼井：ありますね。みんなが知ってる世界に自分の声が入るって、もう声を聞けば、メロンパンナちゃんが誰かとか、みんな分かるじゃないですか。アンパンマン、しょくぱんまんっているなかで、自分の声が入る緊張感はものすごくありましたし。邪魔しないかなぁという不安もありました。ものすごい作品じゃないですか、アンパンマンって。
でも、スタッフ全員が、アンパンマンのことや、やなせたかし先生のお考えを、ほんとうに理解された上で、アンパンマンを大切に見守っているような感覚のスタッフさんが多いんです。私のような本業ではない人間が来ても優しく迎えてくださって。アンパンマンがこれだけ大切にされて、みんなのところに届いているんだって。私たちはそういうものも見てきたんだって思うと、アンパンマンが好きでよかったと思います。
「たしかに厳しいですよね、この世界…」みたいになっていてもおかしくないぐらいに、アンパンマンってすごいものですが、ジャムおじさんのような懐の深さで受け入れていただきました。

ーーこれまでも声優のお仕事はされていますが、新鮮に感じたり発見したり、大変だったところはありますか？

蒼井：やはり、みんなが知っている声のなかに、新しく入るっていうことが今までにない経験ですね。みんなが知っているメインキャラクター、アンパンマンだけじゃなく、登場するキャラクター、10以上の声をみんなが知っている作品ってほんとうに限られるので。やっぱり独特なんですよね、アンパンマンの世界の声は。当たり前のように聞いていたんですけど、ちゃんと声だけで聞いてみると、“アンパンマン”という、ベールがあるというか。完璧な世界が作られているので、そのピースとなってはまりに行くのは難しいなぁと思いました。

■「ずっと揺らいでいますね」仕事と子育ての両立に思うこと

ーー事前のインタビューなどを拝見して、お子さんのことをとても大切にされているのがひしひしと伝わってきます。お子さんが誕生し、育てていくなかで、お仕事に対する考え方や向き合い方、なにか変わった点はありますか？

蒼井：ずっと揺らいでいますね、その気持ちって。何のために働いているんだろうと思うときもありますし。この仕事をさせていただくにあたって「子どもがまだ小さく、この時間であればお願いできるので、それでも大丈夫でしたらお受けします。」というふうにしているのですが、それは、もともとは24時間を自由に作品に注ぎ込んできたからかもしれません。今日このシーンを撮るにあたって、なんとなく寝不足で行ったほうが自分のテンションを持っていきやすいなと思ったら、一日寝ないで行ってみるとか。ひとつの役をやるにあたって、仕事を最優先させてきたので。

ーーそれはすごいです。

蒼井：もちろんプライベートも大事ですが、作品に入るにあたって、その時期はもう仕事！ってなっていたんです。でも今は、どんなときもやっぱり最優先は子どもなので。仕事に対しても、ちゃんとできているのだろうかと思いますし、子育てに対しても、ちゃんとできているのだろうか？って、両方をやろうと思うのは、自分のわがままなのかなぁ？と思うときがあるんです。
でも、周囲の働いてる働いているママに対しては全く思いません。専業主婦でお子さんに愛情を注いでるママも、働きながらお子さんに愛情を注いでるママも、“ママ”という存在にものすごく勇気をもらっています。属性で勝手に想像して、街を歩いているママとかを見て、私もがんばります！って。独身のときにはそういうことを考えたことがなかったので（笑）。ママたちから勝手に、想像で勇気をもらったり力をもらったり。実際に自分のまわりにいるママ友たちからも力をもらいながら、過ごしています。

ーーいつも少し揺らぎながら。

蒼井：そう、揺らいでいるけど、そんな場合じゃない！とも思いますし。みんながんばってるんだって。

ーー『アンパンマンのマーチ』の歌詞で、今を生きるところに感銘を受けたとおっしゃっていたのは、そうした思いとリンクする部分があるのでしょうか？

蒼井：そうですね、不安になったりすることが自分にとって…不安は先のことを考えるからあるのですが、いま大事にするべきものをちゃんと大事にしていれば、不安からは解放されると思うので、「アンパンマンのマーチ」って声に出して読みたい歌詞ですよね。

ーーアンパンマンのほかに、参考にしている人や書物、映画作品など…パワーの源になっているものは？

蒼井：やっぱり家族ですね。私が疲れていて、こんなに動けない！っというときに、夫も疲れているはずなのに本当に動いてくれるので、ああ私もちょっとがんばろうって思います。

■mamagirlだけの特別インタビュー！蒼井さんが育児と仕事の両立で心がけていることは？

ここからはmamagirlだけで読めるスペシャルインタビューです。蒼井さんが育児と仕事の両立で心がけていることなどをお聞きしました。

ーー以前、mamagirlに、山里亮太さんにご登場いただきました。近い期間で、ご夫婦で声優をされるのは、かなり珍しいことと思います。お二人で何かお話はされましたか？

蒼井：ちゃんと自慢しました（笑）。本人はアンパンマンが好きなので、今回私にお話をいただいたので自慢しました。

ーーお二人でよく仕事の話もするのでしょうか？

蒼井：私は基本あんまりしません。今日こういうことやったよーみたいな、日常的なことは話しますが、それよりも子どもの話をしている時間が長いですね。二人でいても、子どものかわいい動画を見せ合います。

ーー最後にmamagirl読者にメッセージをお願いします。

蒼井：何も知らない男の子が、アンパンマンの背中を見て、成長して、強くなっていく物語です。私が演じたのはチャポンという男の子。その成長を見守っていただけたらなと思います。映画館ではもう、思いっきり好きなキャラクターを応援して、楽しんでもらえたらうれしいです。

■プロフィール

蒼井優（あおい・ゆう）
1985年8月17日生まれ。福岡県出身。1999年にミュージカル「アニー」のオーディションで、1万人の中からポリー役に抜擢され俳優デビュー。雑誌『ニコラ』レギュラーモデルを経て、2001年「リリィ・シュシュのすべて」のヒロインで映画デビュー。2006年「フラガール」では日本アカデミー賞、最優秀助演女優賞と新人俳優賞などを受賞。2019年6月にお笑いコンビ「南海キャンディーズ」の山里亮太と結婚。現在1児のママ。

■撮影・取材・文／mamagirl編集部

■映画『それいけ！アンパンマン　チャポンのヒーロー！』作品情報

©やなせたかし／フレーベル館・ＴＭＳ・ＮＴＶ ©やなせたかし／アンパンマン製作委員会2025

1988年10月からTVアニメがスタートし、翌年の1989年3月には劇場版が初公開。昭和、平成、そして令和と3つの時代を通じて日本中に「愛と勇気」を届けてきたみんなのヒーロー、アンパンマン。

現在公開中の映画最新作『それいけ！アンパンマン　チャポンのヒーロー！』では、アンパンマンが“お兄ちゃん”になる！？

©やなせたかし／フレーベル館・ＴＭＳ・ＮＴＶ ©やなせたかし／アンパンマン製作委員会2025

　今回はゲスト声優として、アンパンマンに憧れてヒーローを夢見る男の子・チャポン役に蒼井優、アンパンマンとチャポンをやっつけるために、ばいきんまんが発明したロボ2号をパンサーの向井慧＆尾形貴弘、ひなた村の村長・ニンジンさんを、同じくパンサーの菅良太郎が演じます。

　映画最新作は、ヒーローを夢見る男の子・チャポンとアンパンマンの絆が描かれる「愛と勇気」の物語です。
　自分がどこから来たのかわからないチャポンは、アンパンマンたちと一緒に過ごす中で“誰かを助け、笑顔にする”喜びを知り、
　「ヒーローになりたい！」と願い、アンパンマンをお兄ちゃんと慕うように。
　そんなある日、ばいきんまんが現れ、チャポンへ「思い出すんだ！お前が何のために生まれてきたか！」と問いかけ、チャポンの出生の秘密へと迫っていきます。

　「生まれた意味は、自分で決める！」
　チャポンはみんなの笑顔のため、勇気を振り絞ってアンパンマンと一緒にばいきんまんへ立ち向かいます！
　アンパンマンの愛とチャポンの勇気が溢れる物語に、子どもから大人まで感動必至！！
　原作者・やなせたかしの深い想いが十二分に込められた本作は必見です。

©やなせたかし／フレーベル館・ＴＭＳ・ＮＴＶ ©やなせたかし／アンパンマン製作委員会2025

■監督：橋本敏一　■脚本：葛原秀治　■音楽：いずみたく、近藤浩章　
■声の出演：［アンパンマン］戸田恵子、［ばいきんまん］中尾隆聖 他
■声のゲスト出演：［チャポン］蒼井優［ロボ2号 ほか］パンサー
■原作：やなせたかし（フレーベル館刊）　
■主題歌：「アンパンマンのマーチ」　■テーマ曲：「虹色の歌」
■配給：東京テアトル　
■©やなせたかし／フレーベル館・ＴＭＳ・ＮＴＶ ©やなせたかし／アンパンマン製作委員会2025
■公式サイト：anpan-movie.com/2025/　■公式SNS：＠anpanman_movie

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■応募要項
1.mamagirl公式X @mamagirl_jp をチェック
2.蒼井優さんインタビュー＆「アンパンマンおしゃべり知育パッドミニ」（発売元：株式会社バンダイ）プレゼントキャンペーンのポストをリポスト
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応募期間は2025/7/29 (火）11:00～2025/8/5（火）23:59まで。
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