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【9月】時候の挨拶を例文つきで紹介！上旬・中旬・下旬の挨拶文と季語

2025.08.20

日常の挨拶状やビジネス文書には、季節に合った時候の挨拶を添えるのがマナーです。そこで今回は、9月に合う秋の挨拶文を、上旬・中旬・下旬に分けて例文つきで紹介。ビジネス文書やフォーマルなお礼状、学校関連のおたよりなどで使える書き出しや結びの挨拶の書き方に加え、親しい方に向けたカジュアルな手紙やはがきでも使える表現も、例文とともに解説しています。9月の挨拶文に困ったときは、ぜひ参考にしてください。

■時候の挨拶とは？

時候の挨拶は、仕事の取引先や目上の方に向けた挨拶状やメール・おたより、プライベートでの手紙などで用いられる、季節を表す言葉を取り入れた文章のことです。
「拝啓」につづく「○○の候」など、二十四節気に合わせた季語を使い分けます。二十四節気は、春夏秋冬4つの季節をそれぞれ6つずつに分けた暦の区分で、季節を表現できる言葉として時候の挨拶に用いられています。
時候の挨拶は、本題に入る前に、季節のあいさつを添えて相手への気遣いを表現するのにとても有効な手段。ただし、LINEやチャット、親しい間の方とのメールに使う必要はありません。

■挨拶文の書き方や構成

フォーマルな挨拶文の書き方や構成には一定の決まりがあります。

＜挨拶文の書き方・構成＞

【前文】……「拝啓」などの頭語を書いてから時候の挨拶
【主文】……本文・本題
【末文】……結びの挨拶。相手の健康や繁栄を祈る言葉⇒「敬具」などの結語
【後付】……差出人を書いてから宛名

まず、前文に「拝啓」「謹啓」「こんにちは」などの挨拶を入れ、次に「〇〇の候」と時候の挨拶を続けます。
主文は、文字があらわす通り、文書の本題となる部分です。
主文の終わりには末文として、、相手の健康や繁栄を祈る結びの文章を入れ、「敬白」「謹白」などの結語を入れます。
最期に、日付・差出人の氏名・宛名の順に後付けを書き入れましょう。

■＜ビジネス編＞【9月の挨拶文】書き出しを例文つきで解説

ビジネスシーンや学校関連文書などに使用できる、9月全般・上旬～中旬・下旬それぞれの時期にぴったりな時候の挨拶を一覧で紹介します。

・9月全般に使える挨拶文

ここでは、9月全般に使える季節の挨拶文を見ていきましょう。

＜9月全般の挨拶文＞

爽秋（そうしゅう）の候
秋涼（しゅうりょう）の候
秋晴（しゅうせい）の侯

「爽秋の候」は、爽やかな心地の秋を意味する挨拶です。「秋涼の候」は、夏が過ぎ秋の涼しさを感じるようになったことを表す挨拶。「秋晴の候」は、秋晴れが気持ちよい季節を迎えたことを表現しています。

＜例文＞

「爽秋の候、貴殿におかれましては、ますますご発展のこととお喜び申し上げます」
暑い夏が過ぎ、爽やかな秋の訪れを表しており、涼しさが心地よい9月～11月10日ごろまで使用できます。

「秋涼の候、皆様お変わりなくお過ごしのことと存じます」
夏が終わりを迎え、秋がやってきたことを表します。涼やかな秋のイメージを伝えたいときにぴったりでしょう。 10月中旬ごろまで使用可能です。

注意したいのが、9月でもまだまだ暑い日があるということ。秋の涼しさを表す挨拶を気温が高い日に使用すると違和感があるため、暑さが和らいでから使用するようにしましょう。

・9月上旬～中旬に使える挨拶文

9月上旬から9月中旬ごろに使える時候の挨拶文と、その例文を紹介します。

＜9月上旬～中旬の挨拶文＞

処暑（しょしょ）の候
新秋（しんしゅう）の候
重陽（ちょうよう）の候
仲秋（ちゅうしゅう）の候
涼風（りょうふう）の候

暑さが去ることを表す「処暑」は、暦の上では8月23日ごろを指す季語。8月下旬から9月上旬に使用可能です。「新秋の候」は8月上旬の立秋から9月上旬まで使用できる、秋めいてきたことを表す挨拶。ただし、近年猛暑続きの8月に使用すると違和感があるため、涼しさを感じられるようになったころに使用しましょう。
「重陽」は、菊酒や栗ご飯で長寿を願う、9月9日の「重陽の節句」を指しています。「仲秋の候」は秋の中頃を表す挨拶。「涼風の候」は、暑さの中にも秋らしい涼やかな風が吹くころを表現しています。夏の暑さが残る8月下旬から9月中旬まで使用可能です。

＜例文＞

「新秋の候、貴社におかれましては、いよいよご清栄の由、心からお喜び申し上げます」
秋の気配がそこここに感じられることを表します。立秋である8月上旬から9月上旬までの挨拶ですが、厳しい暑さが続く場合は避け、少し涼しくなってから使用しましょう。

「重陽の候、皆様におかれましては、ますますご壮健のことと存じます」
菊の花が見ごろを迎える時期に長寿健康を願う「重陽の節句」をもとにした挨拶です。目上の方の健康を気遣い、長寿を願っていることを伝えられます。

「仲秋の候、貴殿におかれましては、ますますご発展の段、大慶に存じ上げます」
残暑が去り、秋の深まりが感じられる時期に使える格式高い例文です。9月上旬から10月上旬まで使えます。

・9月下旬に使える挨拶文

9月下旬に使える時候の挨拶文は以下の通りです。

＜9月下旬の挨拶文＞

清秋（せいしゅう）の候
爽涼（そうりょう）の候
秋雨（しゅうう）の候
秋冷（しゅうれい）の候

「清秋」は、清々しい秋の気配の訪れを表す季語です。「爽涼の候」は、爽やかで涼しい秋を表します。「秋雨の候」は、秋の長雨が降る時期を指し、本格的な秋の訪れを表現。「秋冷の候」は、秋が深まり、肌寒さを感じる時期に使う挨拶です。
すべて、暑さが去って涼しくなる9月下旬ごろから10月中旬まで使用できます。

＜例文＞

「清秋の候、貴店ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます」
清々しい秋の気配を感じるころに使える、お店や事業の繫栄を祝う挨拶です。

「秋雨の候、貴社の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます」
「秋雨」は、俳句などにもよく使われる秋の季語。季節の変わり目に降る雨を用いることで、秋らしさを表現しています。

「秋冷の候、貴社いっそうご清祥のことと存じます」
秋が訪れ、肌寒さを感じるころを表す、ビジネスシーンに適した挨拶です。

■＜ビジネス編＞【9月の挨拶文】結びの挨拶を例文つきで解説

ここからは、9月の挨拶文に使える結びの挨拶を紹介します。

・9月全般に使える結びの挨拶

9月全般に使える結びの挨拶から確認していきましょう。

＜9月全般の結びの挨拶＞

豊穣の秋となり、いっそうのご活躍をお祈り申し上げます
残暑なお厳しき折、くれぐれも体にはお気を付けください
皆様お元気で、爽やかな秋を満喫されますことお祈り申し上げます
秋の夜長、どうぞごゆるりとお過ごしください

9月は夏から秋へ季節の変わり目にあたるころです。朝夕の気温差は激しく、残暑の疲れから体調を崩しやすい季節でもあります。結びの挨拶には、相手の体調を気遣う言葉などを取り入れるといいでしょう。

・一般的な結びの挨拶でもOK

書き出しに時候の句の挨拶を使用した場合でも、結びの挨拶は一般的な挨拶を使用できます。

＜一般的な結びの挨拶＞

皆様の益々のご健勝を心よりお祈りいたしております
皆様方のご無事息災を心よりお祈り申し上げます
くれぐれも体調を崩されませぬようご自愛ください
貴社のさらなるご発展を心よりお祈り申し上げます
今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます

相手の健康や幸福、繁栄を願う言葉や、今後の鞭撻を願う言葉を使用した一般的な結びの句です。時候の句と組み合わせた書き出しの言葉に合ったトーンで、使用シーンに合う挨拶を選びましょう。

■＜プライベート編＞【9月の挨拶文】書き出しを例文つきで解説

プライベートな手紙や文書では、時候の挨拶もカジュアルでやわらかい表現が好まれます。ここでは、前文に使える挨拶文を紹介します。

・9月上旬に使える挨拶文

9月上旬に使える、やわらかな表現の時候の挨拶文を紹介します。

＜9月上旬の挨拶文＞

秋の訪れとともに涼しくなってまいりましたが、依然厳しい暑さが続いております
ようやく朝夕には秋らしい涼しさを感じられる季節となりました
秋晴れの心地よい季節を迎えました
残暑厳しい中にも、少しずつ秋の気配を感じられる季節となりました

9月上旬は、まだまだ残暑厳しい季節の中に、ふと涼しい風を感じて秋の訪れを感じるころです。爽やかな秋らしさを感じられる言葉を選んで挨拶文に使ってみましょう。

＜例文＞

「秋の訪れとともに涼しくなってまいりましたが、依然厳しい暑さが続いております。皆様お元気でいらっしゃいますか」
「残暑厳しい中にも、少しずつ秋の気配を感じられる季節となりました。その後お変わりございませんでしょうか」
近年は9月も猛暑日となる地域が多く、平均気温も以前と比べてかなり高くなっています。これらの挨拶は、9月になっても残暑が厳しい時期に使えます。

「秋晴れの心地よい季節を迎えました。皆様お障りなくお過ごしのことと存じます」
空気が澄んで晴れ渡る秋の空を表現しています。9月上旬から10月中旬ごろまで使用できる挨拶です。