【整形外科医監修】身長を伸ばす方法13選！食べ物からストレッチまで、中学生・高校生・大人も必見

■中学生・高校生の平均身長と理想の身長

まず、中学生・高校生の平均身長や、理想とする身長について見ていきましょう。

・中学生の平均身長は？

文部科学省が発表した「学校保健統計」によると、2024年度の男子中学生の平均身長は、1年生（12歳）が154cm、2年生（13歳）は161.1cm、3年生（14歳）で166.1cmです。一方女子は12歳で152.3cm、13歳が155cm、14歳で156.4cm。中学入学時の男女の平均身長は同じくらいですが、女子が3年間で約4cm伸びたのに対し、男子は12cmも伸びており、性別によってかなり差があることがわかります。

出典：文部科学省｜令和6年度学校保健統計（学校保健統計調査の結果）

・中学生の理想の身長は？

男子中学生の理想の身長は卒業時で 165〜170cm あれば「高め」とされ、理想の数字として挙げられることが多いです。女子の場合は卒業時で155〜160cmあれば「理想的」と言われることも。
ただ、成長期真っ只中の中学生は、日々身長が伸びている途中です。今、自身が理想とする身長よりも低いからといって、焦る必要はまったくありません。気になる方は、記事後半で紹介する身長を伸ばす方法を試してみてくださいね。

・高校生の平均身長は？

文部科学省の学校保健統計によると、2024年度の高校生男子の平均身長は、高校1年生（15歳）で168.6cm、高校2年生（16歳）が169.9cm、高校3年生（17歳）は170.8cmです。女子は15歳で157.1cm、16歳で157.7cm、17歳は158.0cm。中学生と比べ、男女ともに3年間での伸びが緩やかになっています。

出典：文部科学省｜令和6年度学校保健統計（学校保健統計調査の結果）

・高校生の理想の身長は？

高校生になると成長期も終盤に差し掛かり、身長の伸びが緩やかになってきます。そのため、理想の身長を意識する方が多くなるかもしれませんね。個人差はありますが、一般的に多くの男子高校生は177～178cmを理想としているようです。また、女性は理想の身長として161～165cm、次に156～160cmを挙げる方が多くいるそう。156～160cmは女子高校生の平均値に近く、理想とする身長との差があまりないことがわかります。

■身長が伸びる仕組みを解説

身長を伸ばすためには、どのようにして背が伸びるのかを知る必要があるでしょう。ここでは、身長が伸びる仕組みや、伸びが著しい時期についてわかりやすく解説します。

・第一次成長期と第二次成長期に著しく伸びる

人間には成長期が2度あると言われています。3～4歳ごろが第一次成長期、小学校の高学年ごろ～中学2年生くらいまでの時期が第二次成長期です。
第一次成長期には、生まれたときの身長から約2倍にまで成長します。第二次成長期は大人へと成熟するころで、女子は10～15歳ごろ、男子は12～17歳ごろが成長のピーク。女子は16歳ごろ、男子は18歳ごろから身長の伸びが緩やかになる人が多くなります。ただし、身長が伸びる時期は個人差が大きいことを理解しておきましょう。

・骨端線が伸びることで背が伸びる

子どもの骨の端には、“骨端線”と呼ばれる軟骨でできた組織があります。この骨端線が成長することで身長が伸びる仕組みです。そして骨端線の成長には、ホルモンの分泌が大きく関係しています。
背を伸ばすために重要なのが成長ホルモンです。成長ホルモンは脳下垂体から分泌され、肝臓に働きかけて「ソマトメジンC（IGF-I）」と呼ばれる物質を産生します。ソマトメジンCが骨に反応し、骨端線の軟骨細胞が増殖することで骨が伸び、身長が伸びるのです。
大人になるとこの骨端線が閉じてしまうため、身長が大きく伸びることは難しいと言われています。しかし、骨自体が成長すれば結果として身長にも影響。大人でも、生活習慣の見直しによって伸びる可能性がないとは言い切れません。
骨端線や骨が成長するには、成長ホルモンが必要です。成長期を過ぎても、成長ホルモンは健康維持のために分泌されています。以下の方法で成長ホルモンの分泌を促進しましょう。

■身長を伸ばす方法13選

ここからは、身長を伸ばす方法を紹介します。どれも手軽に取り入れられる方法ばかりなので、毎日の生活で意識してみましょう。

・朝食をしっかり食べる

身長を伸ばすためには、朝食をしっかりと食べることが大切です。成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されており、その時間に骨や筋肉をつくるための栄養素の吸収も促進されます。寝ている間に栄養素が吸収され、かつ食事もできないため、寝起きの体はエネルギー不足の状態。朝食でエネルギーをしっかり補給すると体内時計も整い、ホルモンの正常な分泌につながります。
また、朝食を食べることで代謝がよくなると、筋肉の働きや柔軟性が改善。姿勢が正されて身長が伸びる可能性もあるでしょう。

・カルシウムとタンパク質をいっしょに摂る

骨の主成分はカルシウムやタンパク質。さらにタンパク質はカルシウムの吸収を助けてくれる働きも持つため、身長を伸ばしたい場合はいっしょに摂るようにしましょう。
カルシウムはヨーグルトや牛乳、桜エビ、イワシの丸干し、チンゲン菜やホウレンソウ、小松菜などに多く含まれます。タンパク質は肉、魚、卵、大豆製品を組み合わせ、動物性・植物性の両方をバランスよく摂りましょう。
また、カルシウムとタンパク質の代謝効率をアップさせるためには、ビタミンB群、C、D、K、マグネシウムなども積極的に摂取するのがおすすめです。

・バランスのいい食事を心がける

身長を伸ばすには、食事の栄養バランスも意識しましょう。骨を太く成長させるカルシウムやタンパク質、ビタミン類、鉄分、亜鉛、マグネシウムなどに加え、エネルギー源となる炭水化物も必要です。炭水化物を摂らなければ体を動かすエネルギーが不足し、骨の成長のために摂取したタンパク質がエネルギー源として使われてしまうからです。
鉄分は赤身の肉やレバー、貝類などから、ビタミンD類は魚やキノコ類のほか、日光浴でも取り入れられます。マグネシウムや亜鉛はナッツ類から摂取するのがおすすめです。

・サプリメントを活用する

運動量が多いなどで、食事のみでは必要な栄養の摂取が難しい方は、サプリメントも活用してみましょう。マルチビタミンやマルチミネラルのように多くの栄養が含まれるものを選べば、食事で摂った栄養素と組み合わさって効率よく吸収できます。

・正しい姿勢を意識

現代人は運動不足などが原因で筋力が低下している方が多く、猫背や反り腰、巻き肩、ストレートネック、O脚などに悩まされているケースもあります。姿勢の悪さは身長が低く見える原因のひとつ。正しい姿勢をとることで、本来の身長に伸びる可能性があるでしょう。

・運動は縦に負荷をかけることを意識

骨は縦の方向に負荷がかかることで成長します。骨へ衝撃が加わることで、脳が「しっかりとした骨をつくらねば」と認識するためです。背を伸ばしたい場合は、バスケットボールやバレーボールのようにジャンプする機会の多いスポーツがおすすめ。ただし、刺激を与えるだけで身長が伸びるわけではありません。骨をつくるための栄養をしっかりと摂取し、十分な睡眠をとるようにしましょう。

・立っている時間を有効活用する

骨に縦方向の負荷をかけるためには、立っている時間を増やすだけでもOK。電車に乗る際は座らずに立つ、なるべく階段を使う、といった行動を習慣づけると、骨によい刺激となるでしょう。

・寝る3時間前までに食事を済ませる

寝る直前に食事をすると、就寝中に行われる体のメンテナンスに使うはずのエネルギーを消化に使用してしまいます。睡眠の質も低下するため、寝る3時間前までには食事を済ませるのが理想です。夕食が遅くなる場合は、夕方と帰宅後に分けて食べる“分食”がおすすめです。
また、朝に空腹感がない場合、前日の夜に食べすぎたのかもしれません。夜の食事の時間と量を見直し、成長ホルモンがしっかり分泌される健康な体を目指しましょう。

・寝る前の30分はスマホを見ない

スマートフォンが発するブルーライトは、人間の脳を活性化させる光です。ブルーライトの影響で脳が興奮状態になると、眠り始めの深い眠りになかなか入れず、成長ホルモンの分泌に影響を及ぼしてしまいます。就寝前のスマホ使用を避けるため、「決まった時間以降は使わない」といったルールを設けるのが効果的です。

・質のいい睡眠をとる

「寝る子は育つ」と言われるように、睡眠中は成長ホルモンの分泌が最も活発になる時間。特に眠り始めてからの2～3時間が重要です。この時間帯に深い眠りにつくことで骨の成長が促進され、身長が伸びるチャンスとなります。質のいい睡眠をとるためには、前述の通り満腹での就寝や、寝る前のスマホなどによる脳の興奮を避けることが大切です。

・ストレッチをする

ストレッチをすると筋肉のバランスが整い、姿勢の改善が期待できます。筋肉の柔軟性が高まることで血流も促進。また、睡眠の質も向上し、骨の成長を促す成長ホルモンの分泌にもよい影響を与えられます。
ここでは、身長を伸ばす効果が期待できるストレッチを2つ紹介しましょう。

【背中の筋肉のストレッチ】

1. 四つん這いになる
2. おしりを下げてかかとにつけ、おでこを床に近づけて30秒キープ

凝り固まった背中をゆっくり伸ばすようなイメージで行います。勉強や仕事などで同じ姿勢が続いた際、ストレッチで体をほぐして筋肉の柔軟性を取り戻しましょう。

【太もものストレッチ】

1. 正座の姿勢から上半身を後ろに倒し、肘で体を支える
2. 太もも前側の筋肉の伸びを感じながら20秒キープ

要するに、正座して膝をつけたまま、あおむけに倒れ肘で支えている状態です。太ももの前側の筋肉がグーッとのばされている体制になります。ここが固まると、体が丸まりやすくなりますので、太ももの前をじんわりと伸ばして、正しい姿勢に近づけましょう。

・オーバーワークを避ける

適度な筋トレは成長ホルモンを分泌するため、身長を伸ばす方法として効果的です。しかし、過剰に負荷をかけると成長に使われるはずの栄養が筋肉の修復にとられてしまいます。オーバーワークにならないよう気をつけながら、適度なトレーニングを心がけましょう。

・ストレスのない生活を心がける

精神的に不安定な状態が続くと、成長ホルモンが分泌されにくくなります。特に成長期は人間関係などで悩む方が多いもの。なるべくストレスなくのびのびと過ごせる環境を整え、成長ホルモンの分泌を促しましょう。

■中学生・高校生・大人も背はまだ伸びるかも！身長を伸ばす方法を実践してみよう

「この食べ物を食べれば今すぐ10センチ伸びる」といった魔法のような特効薬はありません。しかし、運動や栄養に気を配るなどの生活習慣を見直すことで、身長に影響を与える可能性は十分にあります。ぜひ記事を参考に、身長を伸ばす方法を試してみてくださいね。