撮影:モリサキエイキ
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声優初挑戦!『映画 きかんしゃトーマス』山口もえさんにインタビュー
作品の舞台となるイタリアで、トーマスと出会う女の子の機関車ジーナ役を演じています。アフレコ収録の裏側、ご主人・田中裕二さんや3人のお子さんとの家族エピソード、育児などについてお聞きしました。
■『映画 きかんしゃトーマス』で声優初挑戦の山口もえさんを直撃
ーー今回はゲスト声優ということでしたが、ゲスト声優にしてはセリフ量が多いように感じました。お話をいただいたとき、どのように思われましたか?
山口:ひと晩考えて、家族にも相談しました。長男が、トーマス大好きで育ったコなんですね。その大好きなトーマスの世界に出演できるってなかなかないことだし、夫の「大丈夫! 監督さんの言う通りにすればなんとかなるよ」って言葉を信じて、お仕事をお引き受けすることにしました。でも、ゲスト声優さん枠でこんなにセリフが多いのって、前代未聞だったみたいで。台本をいただいたとき、“こんなにいっぱいあるの…やめようかな”ってちょっと思ってしまうくらいに、不安がありました。
ーージーナはイタリアをこよなく愛する情熱的な女の子というキャラクターですが、山口さん自身と似ているところ、逆にちがうと感じるところがあれば教えてください。
山口:困っている人がいたら、手を差し伸べるような正義感が強いところは似ているかなと思います。でも、わたしはジーナほどしっかりしてないかなぁ。
ーー自宅でセリフの練習をすることも?
山口:たくさんしました! トーマスにイタリアについて説明する役なのでセリフがたくさんありますし、早口なシーンもあるので。
ーーアフレコはいかがでしたか?
山口:スタッフさんから、「みなさん、1日でだいたいこれくらいのセリフ量は録られています」っていうお話があったんですけど、わたしはすごく不安で。だから、「1日ではムリだと思うのでもう1日お願いします」って予備日を作ってもらったんです。案の定、1日で録りきれなくて…。1日目が終わったあと、3日間は台本が読めないくらいに落ち込みました。
自分の中で、緊張とか、監督に言われたことをやらないといけないのにできないっていう戦いがあったので。でも4日目からは立ち直れて、台本の見直しをしました。予備日は1週間後だったんですけど、監督に「生まれ変わったみたいだ。(前回と)全然ちがう」って言われるほどに、ノリノリで録れましたね。すごく楽しかったです!
ーーすべてのアフレコを終えたときのお気持ちは…?
山口:(万歳して満面の笑みで)“終わった…! やったー!”って感じでした(笑)。
ーージーナを演じるうえで、工夫されたことはありますか?
山口:ジーナって、セリフだけで見るとちょっとキツイところが多いんですね。たとえば、トーマスに説明しながら「あなたってば、何も知らないのね」ってちょっとバカにしたり。そういうキツめのセリフを言っていても、みんながキライにならないようなジーナでいたいなと思っていたので、あまり強くなりすぎないようにしました。
ーーアフレコの中で、うまくできたところ、苦労したところがあれば教えてください。
山口:ところどころイタリア語が出てくるんですね。わたしは以前、テレビ番組でイタリア語を習っていたので、イタリア語のセリフは自信があります。苦労したのは、笑い方でしょうか。今回、初めて気づいたんですけど、わたしって引き笑いなんです。でも、ジーナは「ハハハハ」って息を吐きながら笑います。アフレコのとき、監督に「声を出して笑ってください」って言われて。わたしは声に出しているつもりだったんですけど、「いや、声じゃなかったです」と…。むずかしかったですね。
ーー印象的なシーンはどこですか?
山口:完成した映像を拝見したのですが、最後のいちばんオイシイところをもっていく(同じくゲスト声優の)麒麟さんが“ズルいな”と。“わたし、(田村裕さん演じる)ベッペがやりたかったな。田村さん、いいな”って思いましたね。なので、おふたりにお会いしたとき、「いいなー、ベッペ」って言っちゃいました(笑)。
ーートーマスがイタリアについてまちがったことを話すと、ジーナが怒るシーンがありました。そのプンッと怒るお芝居がとてもかわいらしくて印象的なのですが、ふだんの生活で怒ることはありますか?
山口:めちゃめちゃあります! 毎日、子どもたちに「早くお風呂に入りなさい」、「早く歯を磨きなさい」ってプンプンしていますよ(笑)。“お風呂に入りなさい”、“歯を磨きなさい”って自動で怒ってくれるボタンがあったら、毎日押したいくらいです。(心の中で)ボタンを押してもきかないときは、夫に任せますね。子どもたちに「入ろう入ろう」って流してくれます。
ーー映画館デビューを応援する作品ですが、ふだんお子さんと映画館に行かれることはありますか?
山口:我が家は、よく行きます。夫が『スター・ウォーズ』を大好きなんですけど、それに感化された長男と長女も好きになって。毎年12月に新作が公開されると、年をまたいだ1月のお正月休みに家族で見に行くっていうのが恒例行事ですね。ほかにも、子ども向けとか楽しそうな作品は見に行っています。わたしが子どものころ、映画館で見る映画って特別で、贅沢な時間だったんです。子どもたちにも家族で映画を見るっていう思い出が残ってほしいので、休みがあれば行くようにしていますね。
ーーこの作品が公開されたときにも、ご家族で見に行かれますか?
山口:子どもたちがすごく楽しみにしているのですが、なぜか夫も「いっしょに行く」って(笑)。今回はわたしのスクリーンデビューですし、家族みんなで行きたいですね。
ーーそのときは、ご家族5人並んで?
山口:たぶん次女は、わたしの声が聞こえたら、“ママ! ママ!”って言っちゃうと思うんです。まわりにバレちゃっても恥ずかしいので、(並ぶのは)どうしようかなぁ…。それと、見てくださっているほかのお子さんたちの反応が気になって、わたしは本編を見るどころじゃないかもしれない。スクリーンよりも、まわりを見ちゃうかもしれませんね。
―ー作品を通して見てもらいたいポイントを教えてください。
山口:イタリアにやってきたトーマスが、初めてのことばかりのところで一生懸命がんばる姿、がんばるけど空回りしてしまう姿、冒険する姿…子どもながらに、ワクワクドキドキハラハラさせられるのではないでしょうか。そして、何か失敗したときに自分の中で解決策を考えたり、仲間がいることのよさを学ばせてくれる作品だと思います。
■山口もえさんの私生活は?
ーー3人のお子さまがいて、とても楽しいけどドタバタな毎日だと思います。お仕事と両立するために、ご主人の田中さんと工夫されていることはありますか?
山口:3人いると本当に大変で、夫とわたしが協力しないと1日が回らないんです。なので、毎晩必ず、夫と次の日のスケジュールを確認しています。朝何時に出て、何時に帰ってくるかを確認して、どちらが子どものお迎えや習いごとの送迎に行くかなど、おたがいができることを話しています。
ーーテレビで拝見する田中さんは、とてもやさしそうで、育児にも率先して参加してくれそうなイメージがあります。
山口:朝、次女の支度や園へ送る係は、夫になります。夫は、だいたい午後からのお仕事が多いので、帰ってくるころには子どもが寝ているんです。なので、“朝に次女との時間を大切にしてもらいたい”という思いと、“わたしがラクしたい”という思いから、次女に「パパと行きたいよね」ってすりこんで、無言の圧力で夫に担当してもらっています(笑)。また、夫には、「ちゃんと交流しておかないと、パパのことをキライになるらしいよ」とすりこんで…。夫はすごく素直なので、“じゃあ毎日、行こうかな”と送ってくれるようになりましたね。
ーーお食事担当は山口さんですか?
山口:そうですね。夫はまったく料理ができないので。家族でごはんを食べていると、だいたい夫が早く食べ終わるんです。そうすると、自分で食器をさげて、食器洗いをしてくれます。これはお願いしたわけじゃないんですけど、なんとなくその流れに。
ーー芸能人の方と、育児についてお話することはありますか?
山口:同年代の子どもがいる方から、ちょっと上のお子さんを持つママ友まで、何人か相談できる方がいます。子育ての先輩でいうと、千秋ちゃんとか。高校生のお子さんがいらっしゃるので、アドバイスを教えてくれたりします。
ーーこれだけは譲れない!という育児方針がありましたら、教えてください。
山口:うちって、そんなに厳しくないんです。でも、今子育てを振り返ってみると、外から帰ってきたら玄関で靴をそろえること、ごはんを食べ終わったら食器を片づけることは教えてきました。だから、お友だちのおうちへ行ったときにも、自然とそのふたつをやっていて、「えらいね!」ってほめられることがあります。そこだけは、小さいころから教えていてよかったなって思いますね。
ーー最後に、mamagirl読者にメッセージをお願いします!
山口:ママって、本当に忙しいんです。ママ業務をやらないといけないし、家のこともやらないといけない。欲張るなら、自分のこともしたい。わたしもそうですけど、ママになりすぎても家のことをやりすぎてもよくないというか、バランスがいちばん大事かなって。わたしは、これ以上ストレスがたまったらヤバいっていう状況になると、平日の昼間に、ひとりで映画館に行くんです。手にはビール。最高の組み合わせですよ(笑)。感動したり、声を出して笑ったりしながら、ビールを飲んで気分転換。リセットされて気持ちに余裕ができるので、平日昼間の映画館でビールは、とてもオススメです!
【プロフィール】
山口もえ(やまぐち・もえ)
女優、タレント 東京都出身、1977年6月11日生まれ。
愛玩動物飼養管理士2級 野菜ソムリエプロ、ホリスティックビューティアドバイザーの資格を持つほか、たいとう観光大使を務める。