「慌てず焦らずいこう！」2学期&秋に気をつけたいこと【医師監修連載➅】

夏休みが終わり、いよいよ2学期がスタート！

まだ残暑の厳しさが残るなか、「あぁ、夏ももう終わったな」という安堵感と、「2学期、これから大丈夫かな？」という不安が入り混じった複雑な気持ちになっていませんか？
私も3人の子どもたちの子育てを通じて、この時期特有の悩みをいくつも経験してきました。1学期と違い、「あれ？なんか調子わるいのかなぁ」という変化に気づくことが増える季節です。

夏休み明け特有の「見えないストレス」を理解しよう

生活リズムの大きな変化
夏休み中は、朝少しゆっくり起きて、昼間は自由に遊び、夜は家族でゆったり過ごしていた方、きっと多いはず。そんな「ゆるやかな時間」に慣れた子どもたちにとって、急に始まる学校生活は想像以上に負担になります。特に注意したいのが下記の項目です。

2学期はこのような変化に慣れるため相当なエネルギーを使うので、帰宅後は疲れて眠くてイライラしたり不機嫌になると覚えておいてください。そしてお子さんの態度におおらかな気持ちで対応しましょう。がんばっているお子さんをねぎらってあげてくださいね！

運動会やイベントシーズンの隠れた負担

9月から10月にかけて、多くの学校や園で運動会などの行事が色々開催されますよね。もちろん子どもたちは一生懸命練習に取り組みますが、この時期特有の負担があることを知っておきましょう。

私がフォローアップしてあげているお子さんが年長さんのころの話をご紹介します。
運動会の練習が始まりついていけるか不安という気持ちを親に伝えるようになりました。そこで、先生たちが振付などの覚える負担を減らしてあげようとしたところ、本人が最後までやってみたいと言ったため、予定通りに当日はフル挑戦。大人たちの心配をよそに最後までやりきり、本人も大満足！負担に気づいても、どこまで減らすかなどは本人の気持ちも大切にしてくださいね。

季節の変わり目、体調管理でサポート

季節ならではの食事、さらには心のケアを意識してサポート

夏の冷たい食べ物に慣れてしまって大人も子どももすこし胃腸が弱っているかも。けれど、食欲の秋に向け、この季節ならではの食材を楽しめるようスープや根菜類を少しずつ取り入れてみて。柿やみかん、きのこ類、発酵食品など…意識してみてください。「今日は何か温かいものを1品」程度の気軽な気持ちで始めてみましょう。
心のケアでは、「がんばっているね、知っているよ」が伝わる声がけをしてみてください。
2学期は、運動会や発表会など、「みんなで何かを成し遂げる」機会が増えます。子どもたちは一生懸命がんばる時期が続きますが、がんばることが当たり前になってしまわないよう、意識して声をかけてあげましょう。ほめよう！と思わなくてよくて、実は実況中継のような声掛け（肯定的注目）だけで十分ですよ。

保育園に子どもを迎えに行ったり、あるいは学校から帰宅してきたとき、親も疲れていてもまずは「お疲れさま！今日も一日がんばったね」というねぎらう気持ちを忘れずに。「ただいま！」に対して、親が手を休めて「おかえり」と笑顔で応えるだけでもいい…このほめ言葉に頼らなくていい「肯定的な注目」をちょっと意識して声をかけるだけで、子どもたちの表情がパッと明るくなります。

甘えたい気持ちを受け止める
夏休み中はたっぷり甘えられたのに、急に集団生活が始まって我慢することが増えた子どもたち。帰宅後や休日は、思いっきり甘えさせてあげることも大切です。

長女は行事が多く忙しい小学校に通っています。2学期は、帰宅後に「ママ、抱っこ」と言う日が増えます。体も大きくなって、正直重い…でも、疲れている時やがんばった時ほど甘えたいもの。ぎゅっと抱きしめてあげることで満たされると、自然に言わなくなります。「今だけの特別な時間」と思って、もう大きい子でしょ！と突き放すような態度はとらず、できる範囲で応えてあげてください。

体調不良のサインを見逃さない

いつもと違う小さな変化に注目してください。
季節の変わり目は、風邪の引き始めや疲労のサインが現れやすい時期。熱や明らかな症状が出る前に気づいてあげることで、重症化を防げることがあります。

我が家では、「なんだかいつもと違うな」と感じた日は早めにお風呂に入って、いつもより30分早く寝るようにしています。睡眠を取ると免疫力も上がるので、翌朝を元気に迎えることも叶います。

もう一つ大切なのは無理をさせない勇気です。
「みんながんばっているから」「休むと遅れちゃう」という気持ちはよくわかりますが、体調がすぐれない時は無理をさせない勇気も大切です。
1日休んで体調を整えることで、その後元気に過ごせることの方が多いものです。特にこの時期は、「予防的な休息」という考え方も大切にしてみてください。

季節の変化を楽しもう！

たくさんの注意点をお話ししましたが、いちばん大切なのは「完璧を目指さない」こと。多少の体調不良は「季節の変わり目だから仕方ない」と、おおらかに構えることも大切。
そして、この時期ならではの楽しみも忘れずに。涼しくなった夕方のお散歩、秋の果物の味覚狩り、運動会での子どもの成長した姿…季節の変化は、親子で一緒に成長できる素敵な時期でもあります。「大丈夫、大丈夫。ママがついているよ」という安心感を伝えていくことが何より「秋の子育て」がハッピーになるキーポイントです。