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【産婦人科医監修】「生理不順の原因とは?」解決策や治し方を解説
生理不順には、ストレスやホルモンバランスの乱れなど、さまざまな原因が考えられます。場合によっては、病気のサインである可能性も。ただ、生理が遅れている原因が、病気ではなくストレスや生活習慣の場合、周期を整えられるかもしれません。そこで今回は、生理不順の原因や症状を詳しく解説するとともに、生理周期を整えるポイントや生理不順の改善方法をご紹介します。生理不順に悩む方は、ぜひ参考にしてくださいね。
松葉悠子
産婦人科専門医。勝どきウィメンズクリニック院長および晴海ウィメンズクリニック理事長。
金沢大学医学部卒。東大病院、日立病院、豊島病院、愛育病院等で研修および勤務し産婦人科診療に従事。中央区医師会理事、日本産科婦人科遺伝診療学会認定、性教育認定講師。
■生理不順とは?

一般的に正常とされる生理周期は25~38日。この期間よりも長くなったり短くなったりする状態を生理不順や月経不順と呼びます。
そもそも生理は、卵胞ホルモンの“エストロゲン”と黄体ホルモンの“プロゲステロン”という女性ホルモンによってコントロールされています。
女性ホルモンの分泌は、脳・卵巣・子宮といった器官が連携することで行われます。この過程で異常が発生するとホルモンバランスが崩れ、生理の周期に影響が出てしまうのです。
ただし、1週間程度のズレはあまり問題ないとされているため、あまり心配しなくてもよいことがほとんどです。
■生理不順の種類
生理不順には、さまざまなタイプがあります。ここでは、3つの代表的なタイプそれぞれの特徴をチェックしていきましょう。
・無月経

生理不順の原因はさまざまですが、性行為があったあと、生理が遅れている場合は妊娠によるものである可能性があります。また、出産後の授乳時期も、しばらくは生理がありません。他にも、ある程度年齢を重ねて閉経し、生理が来なくなるのも自然なこと。
しかし、こういった妊娠や閉経以外で、生理が3ヶ月以上来ない・止まったという状態の生理不順を、医学的に“無月経”といいます。
・稀発月経
生理周期が2~3ヶ月と、正常とされる生理周期よりも長く、頻度が少なくなっている状態を“稀発月経”といいます。体質によって通常よりも排卵に時間がかかっている場合と、ホルモンの分泌や卵巣機能のトラブルによる無排卵が原因である場合の2パターンが考えられます。
ただし、初潮からおよそ2~3年以内は生理周期が不安定なため、揮発月経でも問題ないこともあるでしょう。
・頻発月経

生理周期が24日よりも短くなっている状態が“頻発月経”です。短い周期になっていることで、月に2回生理になることも。頻発月経の場合、卵胞期(排卵までの期間)や黄体期(排卵から生理までの期間)が短くなっているケースや、無排卵になっているケースが考えられます。
■生理不順になってしまう原因
生理が来る方法を知る前に、まずは周期が乱れる原因を知ることが大切です。ここからは、生理不順になってしまう原因について詳しく解説します。
・更年期など年齢によるもの

生理には女性ホルモンが密接にかかわっています。女性ホルモンは年齢によって分泌量が大きく変わり、特に更年期や思春期はホルモンバランスが乱れがちなので、生理不順になりやすいです。
更年期とは、一般的に閉経の前後5年間、合計10年間の時期をさします。この時期は、卵巣の機能が衰え、女性ホルモンの分泌量が乱高下しながら減少していきます。そのため、生理不順をはじめ、めまいや動悸、のぼせなど、体にさまざまな不調をきたしやすいといわれているのです。
一方で生理が始まったばかりで卵巣機能が未熟な10代も、周期が乱れがちな時期。18歳ごろまでには安定してくることが多いでしょう。
・過度なダイエットによる

過度なダイエットを行うと、必要な栄養が卵巣まで行き届かず、生理不順になることがあります。無理なダイエットを長期に渡って続けた場合、脳が妊娠に適した状況ではないと判断。卵子がうまく成長しない、女性ホルモンの分泌がストップするといったトラブルも考えられるため要注意です。
・激しすぎるスポーツで体を酷使した結果
激しい運動によって体を酷使すると、エネルギーを大量に消費します。運動量に対して十分な食事をとっていない場合、栄養が不足して女性ホルモンの分泌をつかさどる器官にストレスが加わり、生理不順につながることがあるのです。
・肥満による

太りすぎると、卵巣の機能が低下して排卵できない、排卵のタイミングが不規則になる、といったトラブルが起こり、生理不順に陥りやすいとされています。特に、3~6ヶ月の間に急激に太った場合には、生理不順になりやすい傾向があるため注意しましょう。
・過度なストレスのせいで
過度なストレスは、女性ホルモンの分泌をつかさどっている下垂体や視床下部に影響を与え、そこから指令が正常に出せなくなることで生理不順になることがあります。ストレスは、人間関係や仕事だけでなく、激しい運動を無理に継続することでも感じやすいことも覚えておきましょう。
・過労のため

過労は、ホルモンバランスを崩しやすくする一因。ホルモンバランスが崩れることで生理不順に陥ります。過労の状態が長く続かないようにくれぐれも注意しましょう。
・病気による

なかには病気が隠れていることがあります。生理不順の状態が長く続く場合や気になる症状がある場合は、早めに病院を受診しましょう。
ここでは、生理不順が症状として現れる病気をご紹介します。
【多のう胞性卵巣症候群】
卵胞の成長が途中で止まってしまい、小さな卵胞がたくさん卵巣内に溜まってしまう病気です。生まれつきの体質であることが多いですが、栄養過多や運動不足、体重増加などによる生活習慣が影響するところもあり、排卵しやすさや生理不順がより悪化することがあります。中には多毛やニキビなどの男性化兆候が出る人や、血糖値を下げる力が下がってしまうことがあります。不妊症の原因としても有名な病気です
【高プロラクチン血症】
プロラクチンは、母乳を作るために必要なホルモンです。出産や授乳をしていないのにもかかわらず、何らかの影響を受けてプロラクチンの分泌が過剰になり、数値が高くなっている状態を高プロラクチン血症といいます。
プロラクチンの数値が高いと、黄体機能不全や排卵障害が起こり、生理不順になるのです。
【甲状腺の病気】
甲状腺は、のどぼとけの下にある臓器。甲状腺ホルモンを分泌し、体の基礎代謝や生殖機能をコントロールしている重要な機関です。甲状腺ホルモンが何らかの影響を受けて分泌量が過剰になる、または減少することで、生理不順になることがあります。
【早期卵巣機能不全・早期閉経】
早期卵巣機能不全とは、40歳未満で卵巣機能が低下し、3ヶ月以上期間が空いている生理不順のこと。卵巣に卵胞が少数存在しており低い頻度で生理が来る場合と、40代になっていないのに生理が完全にストップする早期閉経の2パターンがあります。
生理不順が続く場合は、卵巣機能やホルモンの異常が疑われます。実は病気が隠れていることもあるため、少しでも気になることがあれば病院を受診しましょう。
■生理不順の改善方法と治し方
生理不順になっている原因が、病気ではなくストレスや生活習慣の場合は、改善できる可能性があります。
ここでは、生理不順の改善方法・治し方をチェックしていきましょう。「何ヶ月も整理が来なくて悩んでいる」「生理が来そうで来ないので、どうにか来させる方法を探している」「生理起こす方法が知りたい」といった方は必見です。
・ 生活習慣を見直し規則正しい生活を心がける

生理不順は、肥満や過剰なダイエットによって起こる栄養不足など、生活習慣が原因となっているケースが多々あります。そこで、まずは規則正しい生活習慣を意識することが大切です。バランスのよい食事を日々意識して必要な栄養を摂取し、睡眠もしっかりと取りましょう。
・ストレスをなるべく溜めないようにする
ストレスは、生理に深くかかわっているホルモンの分泌量に影響を与えます。ホルモンバランスを崩さないためにも、ストレスをため込まないように注意しましょう。ストレスのない生活を送るのはなかなかハードルが高いため、発散する方法を見つけてうまく対処することが大切です。
生理がなかなか来ないときは、ストレスが溜まっていないかどうか振り返り、セルフチェックしてみましょう。
・婦人科検診を定期的に受ける

体質が原因の生理不順の場合でも、定期的に婦人科の検診を受けるのがおすすめ。単に生理周期がバラバラというだけでなく、多のう胞性卵巣症候群や早期卵巣機能不全などの病気が隠れている場合があります。これらは、不妊や他の健康問題につながる可能性もあり、早期発見・早期治療が望まれる病気です。
若い10代20代はもちろん、出産・育児の中心となる30代40代、また今まさに更年期を迎えようとしている世代の方まで、婦人科検診を定期的に受けることで自身の生理不順の原因を知ることができます。自分に適した治療方法で生理不順の改善を目指しましょう。
・病院で治療してもらうのもあり
生理不順の症状が心配、生活習慣などに気をつけてもなかなか改善しない、といった場合には、検診のときだけではなく、診察を目的として婦人科を受診するのもひとつの方法です。原因が何かを突き止め、ピルなどの個々にマッチした治療を受けることができます。
特に、妊娠していないのに生理が2ヶ月来ないといった場合は早めの治療開始がおすすめです。
■日々の生活や自分の体を見直して生理不順を改善しよう
生理不順は、初潮を迎えた方であれば、年齢問わず誰にでも起こり得るトラブルです。今回ご紹介したように、規則正しい生活やストレス発散などを意識して、生理不順の改善を目指しましょう。怖い病気が隠れている場合もあるので、定期的に婦人科検診に行くこともお忘れなく!
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男の子と女の子の、2児ママです。ファッションやメイクなど、とにかくかわいくておしゃれなものが大好き!「いくつになっても女であることを忘れない」をモットーに、育児や趣味、仕事に日々励んでいます!
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