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「オススメの習い事は?」ママ友ドクターが考える『子どもを伸ばす』選び方【医師監修連載④】
こんにちは、発達専門の小児科医・ママ友ドクターゆみ先生こと西村佑美です。3人の子どもを育てる母として医師として、読者の皆さんがとまどってしまうような子育てのお悩みを題材に、その要因や予防策、解決の糸口となるヒントをお伝えしていきたいと思います。
連載2回目の記事を見逃した方はコチラをチェック!
西村佑美
小児科専門医、子どものこころ専門医
/一般社団法人 日本小児発達子育て支援協会 代表理事/3児ママ
大学病院で発達診療を学ぶ。発達特性に合わせた子育て経験を活かしママ友ドクター®活動や「子ども発達相談アカデミー VARY」を展開。著者「発達特性に悩んだらはじめに読む本」(Gakken)
https://lit.link/doctornishimurayumi
子どもを観察して見えてくる「その子らしさ」
これまで発達専門の小児科医として、発達に特性のある子も特性が目立たない子もたくさん携わってきました。習い事の相談を受ける際は、「みんながやっているから」という視点ではなく「その子がどんなことに楽しさを感じるか」「どんな形で自分を表現するのが得意か」を最優先に決めるようにお話ししてきました。
例えば、言葉の発達がゆっくりなお子さんでも、音楽やリズムに素晴らしい反応を示すならそっちからスタート。集団での活動が苦手でも、個人で黙々と取り組む造形活動やピアノには深い集中力を発揮する子も。また、体を動かすことが大好きで、スポーツを通じて自己表現を見つける子もいれば、静かに本を読んだり、細かい作業に没頭する子もいます。
大切なのは、大人である私たちが、その子の「好きそう!」や「得意かも?」という部分を見つけ、応援するつもりでいろいろ体験させてみること。習い事は単なる「学び」ではなく、子どもにとっての「喜び」なのです。
お勉強系習い事との向き合い方
○○式のような知育教室など、先取り学習系の習い事ですが、「知ること」「問題が解けること」に快感を覚える子にとって、大きな満足感や自己肯定感につながるでしょう。ただし、注意しないといけないのは、「周りの子より早くできるように」「とにかくいい成績を取ってほしい」という親の焦りやエゴが前面に出すぎると、子どもも親も楽しいからではなく義務感で取り組むようになり、親がイライラし始めて親子とも長続きしないということです。
AI時代を迎えた今、単純な暗記力や計算力では人工知能に太刀打ちできません!だからこそ、「知るって面白い」「できるってうれしい」「調べよう」という感覚を味わう機会として習い事を捉えて。これからの時代は新しい発見、探求ができる能力が暗記よりも重要です。
我が家の実例〜3人それぞれの"らしさ"について
ここで、我が家の子どもたち3人の習い事体験を紹介させてください。
長男の場合
長男は幼稚園時代からリズム感も音感も抜群で、マイケルジャクソンの真似が大好きな子でした。ダンスや歌を習わせるといいねと周囲には言われたのですが、人前に立つとすぐに顔を真っ赤にして恥ずかしがるので体験レッスンは全てNG。音楽的な表現はできるけれど、体もよく動かすドラムを提案してみたところ、これがヒット。今では彼にとって大切なリフレッシュになるようで自らドラムを叩いています。ちなみにそろばんも習っていましたが、これは小学校1年生の足し算の暗記が苦手すぎたので、頭の中で数(そろばんの球)をイメージしながら計算できる力をつければいい!と思い始めたのですが、大正解でした!

長女の場合
娘は長男とは正反対の性格で、歌ったり踊ったり、何かを人前で表現することが大好き。ところがピアノはひっくり返るほど大嫌いで、習ってみたものの3カ月でやめました。でも、全身を使って表現できるバレエはもう大ヒット!4歳から始めて4年生の今ではトゥシューズの練習中。親として深い感動を覚えます。

次男の場合
末っ子の次男は現在幼稚園生で、園での体操教室と造形教室に。送迎の手間が省けて親としてはとても助かります!送迎で負担を感じると親がイライラしやすいので習い事=嫌な事になりがちですので気を付けましょう。また、最近サッカーに目覚めたので、体験会に行こうと思ってます。そして今の悩みは英語。次男が通っている園は、兄姉ふたりが行っていた英語の幼稚園(インター)ではないため、英語についてはどう習わせようか考えているところです。

習い事選びの本質とは
こうして書くと「バランス良くいろいろやっていますね」と思われるかもしれません。実はこれらは、子どもたちの様子を観察しながら良さそうなものや親として習わせてみたいものも含めて、すべてを体験させたから。合うものは続け、合わないものは辞めてきた結果です。英語、ピアノ、水泳、空手、茶道、書道、モンテッソーリ、絵画、学習教室、ダンス、日本舞踊などなどメジャーなものは一通りやってみました。体験レッスンだけで「これは違う」と感じたものもあれば、数カ月続けてみて本人が「もうやりたくない」と意思表示したものもあります。そのたび、辞める前には休会を挟み、親子で対話をしながら子どもの気持ちを最優先に考えて判断してきました。親の想定とは違う反応の時もしばしば。
長男がeスポーツとプログラミング教室の体験に2回行った際、とても楽しそうだったので通ってみていいよと伝えたら、「いや、いいや。自分でできるし」と返事されて驚きました。一方でレゴが好きだったので6年間レゴスクールに通いましたが、レゴでロボットを作ってそれをプログラムで動かすような課題において、特段のセンスは発揮されず、最後まで趣味の範囲で楽しんで卒業しました。
習い事は人生を豊かにする"プラスα"
「習い事は、人生を豊かにし彩りを添えるプラスアルファ」です。もちろん、将来プロを目指し収入を得る覚悟で始めるご家庭もあるでしょうが、大多数のご家庭にとって、習い事はあくまで「子どもの世界を広げるもの」「新しい可能性を発見するきっかけ」。子どもがさまざまな体験を通じて自分の好きなことや得意なことを見つけたらラッキー。得意じゃなくても、「やってみることの楽しさ」を知ることができれば、それだけで大人になったあとの趣味や余暇に活かせるので十分に価値があります。
「嫌でも続けさせれば忍耐力がつく」という声をよく耳にしますが、真の忍耐力とは「好きなことを続ける中で自然に育つもの」だと思います。もし子どもが習い事を嫌がる理由が、その活動が苦手だったり、不安感を抱いていることによるものだとしたら、無理に続けさせることがかえって自己肯定感を下げてしまうこともあります。好きなことであれば、多少の困難があっても子どもは自分なりに乗り越えようとしますし、その過程で本当の意味での忍耐力や継続力が身につくのです。

選択することの大切さ~わが子の"未来につながる種"を探そう
子育てに正解がないように、他のお子さんや親御さん自身がうまくいった方法が、必ずしも我が子に合うとは限りませんが、いつでもトライしてみること。やってみて面白ければ続ければいいのです。そして、やってみた結果「これは違うな」と思ったら、やめる勇気を持つ。すべてにおいて大切なのは「自分で選択する力」です。
現代の子どもたちは、将来的に多くの選択を迫られる時代を生きていくことになります。AIが普及した今、大人になったあとに必要なスキルや能力は従来と異なっていきます。そのため、これまでなら将来役立つから習ったほうがいいなどとされていた習い事のイメージは気にしないで。お子さんが素直に自分に向き合い、適切な判断をして、楽しんだり、新しく取り組んでいく...これらが育つような習い事を探しては体験させてみましょう。
「ワクワクする気持ち」、「できた!」「楽しい!」「もっとやってみたい」という喜びや探究心を育てる中で、何がどう役立つか、何が才能として開花するかなんて誰にもわかりません。けれど、きっとお子さんにとっては"未来につながる大切な種"になると信じていきましょう!
構成・文/西村佑美(小児科専門医、子どものこころ専門医)
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