【40代の妊娠】自然妊娠できる？妊娠確率や高齢出産のリスク、妊活方法を解説

40代でも自然妊娠は可能なの？その確率は？

40代の自然妊娠の確率はどのくらいなのでしょうか。日本生殖医学会によると、不妊の度合いについて、30～34歳では14.6％と15％未満ですが、35～39歳は21.9％、40～44歳では28.9％。年齢が上がるにつれ、自然妊娠の確率が徐々に減ってきているのがわかります。しかし、SNSやインターネット上では「44歳で自然妊娠しました！」「40歳で出産しました」というような、40代以降に妊娠出産をする人のエピソードが多数確認できます。
また、45歳自然妊娠確率がゼロというわけでもありません。厚生労働省の統計では、令和3年度で40代女性の出産数は約5万人にものぼり、20代・30代の出産数が減少している中で、40代の出産数は前年よりも増えているのです。

出典：日本生殖医学会｜Q22．女性の加齢は不妊症にどんな影響を与えるのですか？
出典：厚生労働省｜母の年齢（5歳階級）･出生順位別にみた出生数

40代女性が妊娠しにくくなる理由とは

年齢が高くなるにつれ、卵巣の機能は低下していきます。女性は生まれるときにはすでに一生分の卵母細胞を約200万個持っており、以後増えることはありません。排卵期が始まる思春期から卵子の数が減っていき、30代後半から減るスピードも早くなります。
さらに、受精卵も年齢と共に質が低くなり、妊娠を継続することが困難になることもあるのです。定期健診などはきちんと受けて、妊娠率を少しでも上げられるようにしましょう。

出典：三軒茶屋ARTレディースクリニック｜40代女性でも自然妊娠は可能？高齢出産に向けた準備と注意点

知っておこう！40代の妊娠リスク

妊娠を望む人の中には、「41歳だけど高齢出産になる？」など、自分が高齢出産になるのではないかと不安に思う人も多いでしょう。でも実際、高齢出産は何歳からなのでしょうか？
高齢出産は、一般的に「35歳以上で初産」もしくは「40歳以上で経産婦が出産する」場合のことを指します。ここからは、高齢出産となる40代が妊娠したときのリスクについて詳しく解説します。

＜40代の妊娠リスク＞

• ・妊娠高血圧症候群を起こしやすい
• ・妊娠糖尿病になりやすい
• ・早産や流産の危険性
• ・染色体異常症の可能性
• ・難産になりがち
• ・産後のトラブルが起きやすい

詳しく見ていきましょう。

・妊娠高血圧症候群を起こしやすい

妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週以降から産後12週までの期間に高血圧になることです。酷い症状の場合、胎児の発育不全や母体の脳出血などの原因になることも。普段は何の問題もない健康な人であっても、妊娠によって体に負担がかかるので、高血圧を引き起こしやすくなるのです。若い妊婦さんより高齢妊婦さんのほうが高血圧になる確率は高まります。

・妊娠糖尿病になりやすい

妊娠糖尿病とは、妊娠がきっかけで発症する糖尿病のこと。妊娠糖尿病は通常の糖尿病と違い、ほとんどの場合は出産が終わると正常になります。初産婦、経産婦関係なく35歳以上の妊婦さんは注意が必要です。栄養バランスを考えて、適度な運動を心がけましょう。

・早産や流産の危険性

22週0日から36週6日までの出産を早産、妊娠22週未満の出産を流産と言います。これらも、高齢になるほどリスクが高まります。年齢が高くなるにつれ、卵子だけでなく精子も機能が低下していくため、高齢夫婦の場合は早産、流産率が高くなる可能性があると言われています。

・染色体異常症の可能性

年齢を重ねるとともに卵子も老化が進みます。卵子の老化は、受精卵の染色体異常につながる可能性も。人の染色体は46本ですが、染色体異常によって増えてしまうとダウン症候群などの障害を持って生まれてきます。
母体の年齢が何歳でも、染色体疾患を持って生まれてくる可能性はありますが、年齢が上がると確率は上がるとされています。

・難産になりがち

せっかく妊娠できたとしても、やはり不安になるのが出産の現実。生まれてくる赤ちゃんが通る産道や子宮口は、年齢が高くなるにつれだんだん硬くなってくるのです。そのため赤ちゃんが通れずお産が長時間になることも。前置胎盤などの合併症を起こす可能性も年齢が上がるにつれ高くなります。

・産後のトラブルが起きやすい

産後の子宮の収縮が悪く、元の大きさに戻らないことを子宮復古不全と言います。これは高齢出産の場合によく引き起されるとされています。また、妊娠出産に関係なく、高齢になるほど疲れは出やすいもの。高齢出産の場合は子宮だけでなく体全体の回復もしにくいでしょう。できるだけ無理をせず安静にすることが大切です。

妊娠したい…！40代女性が妊娠するためにできること

40代から妊娠しやすい体作りのためにできることを紹介します。
必ず妊娠できる方法というわけではありませんが、どれも40代以降の妊活に取り入れやすいので参考にしてくださいね。

＜40代女性が妊娠するためにできること＞

• ・血行を促進して冷えを改善
• ・排卵日を把握する
• ・産婦人科を受診する

40代で妊娠するために何をしたら良いのかそれぞれ詳しく見ていきましょう。

・血行を促進して冷えを改善

年齢に関わらず、すぐ妊娠できる人の特徴として、「冷え性を改善している」点が挙げられます。42歳で妊娠を発表したお笑い芸人の平野ノラさんも、「半年で平熱を1度上げるのを目標にしていた」と述べています。
特に、首・手首・足首の3つの首を冷やさないようにしましょう。その他にも下腹部や腰をカイロや腹巻などで温めると良いですよ。入浴時には、シャワーだけで済ませずにゆっくり浴槽に浸かりましょう。また、冷えを改善するツボを押してみるのも◎

・排卵日を把握する

排卵日を把握しておくことも、妊娠確率の可能性を上げる重要なポイントのひとつ。排卵日は、基礎体温の測定や排卵検査薬の使用でわかります。基礎体温は、毎朝同じ時間に測定しましょう。体を起こす前の横になったままの状態で口の中で測定します。
排卵検査薬は、尿中の黄体形成ホルモンの濃度を測定し、前日や当日に排卵が起こるか示してくれるものです。

・産婦人科を受診する

自己流で妊活して自然妊娠した人もいますが、きちんと産婦人科で診てもらうと妊娠の確率も上がるでしょう。妊活の相談だけではなく、子宮や卵巣の状態も診てもらうことで現状の把握ができます。
また、基礎体温などに問題があった場合、なんらかの病気の可能性も。病気の早期発見と治療のためにも産婦人科の受診はとても大切なのです。40代で妊娠を望んでいる人は、まず産婦人科へ行き、ブライダルチェックをしてもらうと良いでしょう。

40代で妊娠したら！高齢出産で気をつけるべきこと

高齢妊娠で出産するときに気をつけておくことを紹介します。

＜40代女性が妊娠中に気をつけること＞

• ・規則正しい生活習慣を心がける
• ・急な体重増加に気をつける
• ・ストレスを溜めない
• ・葉酸を摂取する
• ・妊婦健診は必ず受ける
• ・禁煙をする

高齢出産をする際に気をつけておかなくてはいけないことを詳しく見ていきましょう。

・規則正しい生活習慣を心がける

栄養バランスの良い食事を摂りましょう。妊娠高血圧症候群の原因になるので、塩分の摂りすぎには注意が必要です。無理のない範囲で適度な運動をするのも、気分転換にもなるのでおすすめです。

・急な体重増加に気をつける

急な体重の増加は、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病を引き起こす可能性があり、難産や早産の原因となってしまうこともあります。体重の増えすぎは自覚症状がないことも多いので、きちんと産婦人科で検診を受けて、家でも体重の管理などしましょう。

・ストレスを溜めない

ストレスを溜めていると、自律神経のバランスが乱れるので、女性ホルモンの分泌低下につながることも。運動や趣味など楽しいことを見つけて、できるだけストレスの少ない生活を送りましょう。

・葉酸を摂取する

妊娠中にとても重要な栄養素のひとつに葉酸があります。葉酸を摂取することで先天性疾患の神経閉鎖障害や、無脳症の発症リスクが減少すると言われています。葉酸は成人女性で240μg/日、妊活中の女性や妊婦さんは480μg/日を摂取するのが理想です。しかし、食事から480μgを摂取するのは難しく、サプリメントの活用も推奨されています。

・妊婦健診は必ず受ける

妊婦健診は必ず受けましょう。妊娠糖尿病などの予防のためにも、健診で受けた指導やアドバイスに従って適切な体調管理を行うことが大切です。

・禁煙する

タバコの煙は血管を収縮する作用があるので、おなかの赤ちゃんに必要な酸素や栄養が届きにくくなります。その結果、低出生体重児で生まれるリスクや流産・早産になる確率が高くなるのです。
また、喫煙による悪影響は男女ともにあり、女性は卵子の質が低下し、男性の場合は精子の数や運動率が下がるといった報告もあります。妊娠中だけでなく妊娠前から禁煙できると安心です。

40代でも自然妊娠は可能！リスクもしっかり理解して今後の人生設計を

30代以下で妊娠しにくい人もいれば、逆に40代になっても妊娠しやすい人もいます。高齢だからといって可能性はゼロではありません。
また、避妊について知識があっても、更年期も近い46歳や47歳で妊娠してしまった人は、どうしようかと悩むことでしょう。40～50代の男性の中には、「もう妊娠率は低いだろう」と思い、膣外射精（いわゆる外だし）する人も多く、40代中絶の割合が高くなっているのも現実。中絶を選択すると、費用や体の負担が大きくなってしまうので、子どもを望む場合もそうでない場合も、高齢出産のリスクなどを理解して夫婦や家族で話し合ってみてはいかがでしょうか。