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【医師監修】授乳時間の目安はどのくらい?時間、頻度、量など月齢別に解説
■授乳時間について理解しておこう!
まずは、授乳についての基本知識から押さえていきましょう。
・授乳の目的は赤ちゃんの栄養と水分の確保!
授乳は、赤ちゃんに必要な栄養と水分量を確保するのが目的です。栄養は個人差もあり判断しづらいため、赤ちゃんを含め子どもは水分量を目安に管理します。赤ちゃんに必要な水分量は、月齢だけではなく体重で決まります。
新生児に必要な1日の水分量は、体重1kgあたり60~80ml、生後2か月以降の赤ちゃんでは体重10kgでは100mlです。赤ちゃんに必要な水分量を、家族の生活リズムに合わせて与えていくことが大切になります。
・授乳時間や回数は決めなくてOK!
哺乳が上手な赤ちゃんもいれば、不器用でなかなか哺乳できない赤ちゃんもいて、こちらも個人差があります。そのため、授乳時間や授乳回数を厳密に定める必要はありません。ただし、あまり長時間になると遊び飲みをする場合もあるので、15分程度にしておくのがベスト。哺乳スピードが速いと、与える量が足りていない可能性もあります。その場合、ミルクを与えすぎると栄養過多になることも考えられるため、白湯などの栄養のないもので空腹感を満たしてあげるのがおすすめです。
1回の授乳でどのくらい水分補給できたかは、母乳の場合わかりにくいもの。飲む前と飲んだあとで赤ちゃんの体重を計るのが一番わかりやすい方法です。何回か計って、赤ちゃんの平均値を把握しておくといいでしょう。
100g単位の体重計では計れないので、必ず赤ちゃん用の体重計を使う必要があります。
■授乳時間を決める目安
赤ちゃんに必要な1日の水分量をもとに、授乳時間や授乳回数が決まります。そのため、授乳時間を決める要因となるのは以下の5つの項目。
1.1日の必要水分量
2.母乳か、それともミルクか
3.母乳の場合片方10分でどのくらい母乳が出ているのか
4.授乳環境(家族のサポートの有無や保育園利用の有無)
5.赤ちゃんの哺乳の上手さ
それぞれの要素から、授乳時間を決める必要があるでしょう。
■授乳間隔や授乳にかかる時間の適正はどれぐらい?
赤ちゃんにとって、栄養を補給し、健康なカラダを維持するために授乳はとても大切なものです。また、ママとの愛着形成に関しても、授乳が重要な役割を果たしているともいわれています。授乳を通してママのぬくもりを感じ、信頼関係を築いていくそうです。
もちろんパパがミルクをあげることでも、同様の効果が得られます。 そんな大切な授乳ですが、時間が長すぎるとママが休むタイミングを失いますし、短すぎると赤ちゃんが空腹を満たせず、すぐに泣いてしまうことも…。
そのため、ちょうどよい授乳時間を知ることは、ママと赤ちゃんにとって大切なことです。
・新生児期(生後1ヶ月)の授乳時間や授乳間隔の目安
生まれて間もない赤ちゃんに必要な水分量は1kgあたり80ml。生後1ヶ月の赤ちゃんの体重は5kg前後のため、80ml×5kgで必要な水分量は1日あたり400mlになります。これを6~8回に分けて授乳すると考えましょう。赤ちゃん自身の飲む力や体力もまだ十分に備わっていないため、1回の授乳時間は数分と短く、回数は多くなります。
この頻回な授乳によってママの乳腺が刺激され、母乳が出やすくなるのでママも赤ちゃんもがんばりどころです。赤ちゃんが欲しがるタイミングであげることを基本としましょう。
・生後3ヶ月ごろの授乳時間や授乳間隔の目安
生後3ヶ月ごろになると次第に体力もつき、だんだんと授乳間隔が空くようになります。生後3ヶ月ごろの赤ちゃんの体重は、5~7kgほど。1kgあたり100mlが目安になるため、1日に必要な水分量は500~700mlとなります。それを6~8回に分け授乳するのを目安にするといいでしょう。
・1歳ごろの授乳時間や授乳間隔、回数、量の目安
1歳ごろの赤ちゃんの体重はおよそ10kgで、離乳食でも水分を摂取しています。そのため、1日あたりに必要な水分量は1,000mlとし、授乳回数は1日2~4回ほどが目安。離乳食をしっかり食べるようになれば、授乳はおやつのような立ち位置で考えるのがいいでしょう。
ただし、離乳食だけでは鉄分が欠乏しやすいため、鉄分の入ったフォローアップミルクを取り入れるのもおすすめです。いずれ授乳をやめる1歳以降のことを考え、授乳の回数を減らして離乳食メインに移行していきましょう。
・授乳時間については、どの場合でも15~20分くらい!
どの月齢でも、授乳時間の目安は15~20分くらいです。母乳の出やすさにもよりますが、30分以内には切り上げるようにしましょう。30分以上になると遊び飲みの可能性も。授乳時間が長くなると授乳間隔も短くなってしまいます。
■母乳とミルクの授乳時間の差はある?
母乳とミルクの授乳時間の差は、考えなくてもいいでしょう。
ただ、ミルクの場合は与えている量がわかりますが、母乳の場合はどのくらい飲んでいるか把握しづらいですよね。授乳前後の赤ちゃんの体重を計り、何分授乳したらどのくらい母乳が出ているかを測定しておくのがおすすめです。授乳時間や授乳回数の目安になるでしょう。
10分間搾乳し、ハリの減り具合を感覚で覚えておくのもいいかもしれません。
■授乳時間が長すぎるときの原因と対策
授乳時間が長すぎる場合、どんな原因が考えられるのでしょうか。対策も併せて確認していきましょう。
・授乳時間が長すぎる…考えられる原因は?
母乳の場合、母乳量が少ないため授乳時間が長くなっている、赤ちゃんが不器用でなかなか飲めないという原因が考えられます。ミルクの場合は、赤ちゃんがミルクの味を嫌っている、哺乳瓶の乳首が合わず飲めていないといった原因が考えられるでしょう。
その他の原因としては、赤ちゃんがママとのスキンシップを楽しんでいたり、途中から遊び飲みをはじめていたりする可能性もあるようです。遊び飲みは、生後3~4ヶ月頃から始まるともいわれています。授乳中に赤ちゃんがキョロキョロとまわりを見たり、乳房を触ったりするようなら、遊び飲みをしている可能性が高いかも!
・授乳時間が長い場合の対処法
体重がきちんと増えているなら様子を見ても問題ありませんが、授乳時間が長いのに体重が増えていないのであれば、授乳時間が長くなっている原因を見つけていく必要があります。
遊び飲みをしている場合、赤ちゃんは基本的に満腹感を得られているため、授乳時間が20分を超えたら授乳をやめてみましょう。そのときに赤ちゃんが口を動かしている、機嫌が悪くなる、泣き止まないといった状態であれば、授乳時間や哺乳量が足りていない可能性があるので、引き続き授乳します。
授乳をやめてもときに機嫌が悪くならない場合は、遊び飲みの可能性大!授乳をやめても大丈夫でしょう。20分のタイミングで都度判断するのもいいかもしれません。
■授乳時間が短すぎるときの原因と対策
反対に授乳時間が短すぎるときの原因と対策も確認していきましょう。
・授乳時間が短い…考えられる原因は?
まず考えられるのが、赤ちゃんの体力がまだ十分でなく、満腹になる前に疲れて寝てしまうケース。しかし、赤ちゃんによっては授乳時間が短くても、十分な量の母乳やミルクを飲んでいる場合もあります。そのため、授乳時間が短い=飲む量が不足しているとは一概にはいえません。授乳が短くても体重増加に問題がなければ、そのままで問題ないでしょう。ただし、授乳時間が短くぐずつく、泣き止まないといった状態であれば、満腹感を得られていない可能性があります。
・授乳時間が短い場合の対処法
授乳時間が短く、赤ちゃんが満腹感を得られていないときは、母乳量が少ない可能性も。母乳の場合、これ以上母乳が出ないようであればミルクを追加してあげる、授乳間隔を短くするなどして調整しましょう。ミルクの場合、さらにミルクを与えると栄養を摂り過ぎてしまいます。お茶や白湯などのエネルギーのない水分で補ってあげましょう。■起きない場合も時間通りに授乳したほうがよいの?
夜間授乳では寝ている赤ちゃんを起こすべきか、悩む人もいるかもしれません。1日の水分量が足りていれば、無理に起こして授乳をする必要はないでしょう。もし数日間続いた場合でも、体重がきちんと増えていれば夜間授乳なしでも問題ありません。
お腹がすいたら泣いて起きるはずなので、寝ているようならそのまま寝かせておいてあげましょう。「時間通りに授乳しなければ…」というママのストレスも軽減されるはず。その代わり、寝る前と起きたときの授乳量は増やして調整しましょう。
■授乳時間の管理におすすめの方法は「1日を20時間と考える!」こと
授乳時間を細かく管理する必要はあまりありません。しかし、ざっくりとしたパターンは決めておくのがベストでしょう。
1日を24時間ではなく20時間と考え、夜の20時までには1日の必要水分量を確保しておくようにしましょう。そうすれば、夜の授乳が必ずしも必要なものではなくなります。
1日の水分量と20時までという点を意識しておけば、多少時間がずれても問題はありません。
赤ちゃんの生活リズムを作ることにもつながるため、ある程度決まった授乳パターンにしておくのがおすすめです。休日は家族の生活リズムも平日と異なるためパターン化するのは難しいかもしれませんが、上記の注意点さえ守れば、授乳の時間管理もしやすくなります。
・授乳時間の管理が難しい!そんなときに使いたいおすすめのアプリ
授乳管理は不要とはいえ産後は記憶力が落ちる場合もあり、ある程度管理したいというママは授乳管理アプリを使うのもいいでしょう。
・ママの記憶を補完!おすすめの授乳管理アプリ3選
【授乳時計(iOS・Android対応)】
「授乳時計」 はシンプルな操作と機能の充実度が好評のアプリ。特に母乳育児をされている方におすすめです!
左右の授乳時間をそれぞれ計測でき、自動で授乳した時間を記録してくれます。夜間モードにすると背景が黒になるので、目にやさしいのもうれしいポイント。またボタン表示も大きめでタップしやすいのもGOOD。さらにミルクや搾乳の時間、量、おむつを替えた時間や赤ちゃんの睡眠時間なども入力できるすぐれものです。
【授乳ノート 簡単シンプル赤ちゃんの育児記録(iOS・Android対応)】
「授乳ノート 簡単シンプル赤ちゃんの育児記録」は、授乳時間の計測はもちろん、搾乳機や哺乳瓶での授乳も項目ごとに記録できるアプリ。そのため母乳・ミルクの混合やミルクのみで育てているママにぴったりです。授乳アラームも設定できるので、夜の授乳におきられるかな…というママにもおすすめ!
また、せきや発熱、嘔吐、発疹、けがなどの体調不良時の記録もできる他、データや写真の共有もできるため、家族みんなが赤ちゃんの成長をシェアすることができますよ。
【ぴよログ(iOS・Android対応)】
「ぴよログ」は、パパとママで毎日の育児記録を共有したいという方におすすめの育児記録アプリです。記録はリアルタイムで反映されるため、仕事中でも赤ちゃんの様子を知ることができます。授乳タイマーを使えば、どれだけ授乳したのかを記録することも可能。授乳やミルク、排せつなどを記録しグラフ化することもできます。
PDFに書き出して保存したり印刷したりすることもできるのもポイントです。
・授乳時間がずれる場合はどうすればよいの?
土日や祝日は平日とは違う生活リズムになることも多く、授乳時間がずれることもあるでしょう。授授乳で重要なポイントは、前述した通り、
1.1日の水分量
2.20時までの授乳計画
の2点です。ここさえ押さえておけば、多少授乳時間がずれても問題はありません。
大切なのは、赤ちゃんにも家族にも無理のない授乳計画を立てること。20時間までに必要な水分量が確保できるようスケジュールを立てておけば、残りの4時間で調整することもできるため、心に余裕も生まれるでしょう。赤ちゃんは喉が渇いたら訴えてくるため、そのタイミングできちんと反応し対応してあげさえすれば、授乳時間や頻度に神経質になる必要はありません。
きちんと計画通りにしないとと思い過ぎてしまうと、ママのメンタルにも影響するうえ、赤ちゃんにもストレスがかかってしまうでしょう。気負い過ぎないことも大切です。
■赤ちゃんの体重が増えていて元気なら神経質になりすぎなくても大丈夫!
赤ちゃんの月齢別の授乳時間や間隔などをご紹介しました。「授乳の間隔や時間が普通と違うんじゃ?」と感じているママも、赤ちゃんがしっかり飲めて、成長していれば大丈夫!それでも、赤ちゃんの飲む量が足りているか不安になった場合は、小児科や地域の子育て支援センターなどで相談してみるのもいいかもしれません。
あまり「スケジュール通りやらなきゃ!」と思いつめず、赤ちゃんとの授乳の時間を楽しんでくださいね。
※本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいて掲載しております。
※本記事では@noakrh様、@sweetmommyofficial様、@yagigigi1234様のInstagram投稿をご紹介しております。
【監修】たけつな小児科クリニック 竹綱庸仁先生
<プロフィール>
2004年、愛知医科大学医学部卒業。同大学で臨床研修終了後、小児科に入局。2013年、奈良県の病院で小児科の立ち上げに従事。2017年、たけつな小児科クリニックを開設。「すべては子どもたちのために」をモットーに、一般的な疾患からてんかんなどの神経疾患、食物アレルギーや喘息、日本でも数少ない小児頭痛を専門とするなど幅広い診療を行う。現在は病児保育室バンビを運営する他、言語発達遅延の子どもに言語訓練を行う児童発達支援施設「のびいく」を運営している。趣味は読書と神社巡り。
http://www.taketsuna-kojika.com/gre.html
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