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【医師監修】赤ちゃんのパパ見知りとは?原因と対処方法、気をつけたいNG行動も
■赤ちゃんの「パパ見知り」とはどのようなもの?
パパ見知りとは、赤ちゃんがパパに対して泣いたりぐずったり、人見知りの反応をすることです。パパが赤ちゃんに関わると嫌がる状態のことをいいます。「赤ちゃんのお世話をがんばろう!」と気合を入れていたのに、近づいただけ泣かれてしまうとパパはガックリ。自信を失ってしまうこともあるようです。なぜ赤ちゃんはパパ見知りしてしまうのでしょうか?
■パパ見知りはどうしてなるの?原因は?
赤ちゃんがパパ見知りになる理由はいくつかあります。代表的な例をご紹介しましょう。
・パパの育児への参加が少ない
赤ちゃんは成長の過程で少しずつ、日々お世話をしてくれるママや近しい人を認識していきます。しかし、日頃パパが育児に介入する機会が少ないと、パパのことを「他人」と認識し、不安を覚えてしまことがあるようです。パパ見知りの原因として、パパの育児参加が少ないことも大きな原因となるのです。・赤ちゃんへの接し方が慣れない
小さな赤ちゃんの場合は、単純に「お世話のされ方がいつもと違う」、「抱っこの居心地が悪い」といった理由で泣いたりぐずったりすることがあります。パパだから嫌なのではないことがポイントです。その他、赤ちゃんによっては「なんでもママでないと嫌」という時期もあります。パパでもおじいちゃんでもおばあちゃんでも保育士さんでもなく、「ママがいい」ということもあるのです。
また、パパ見知りには個人差があります。覚えておきたいポイントは、人見知りは赤ちゃんの大事な成長過程だということ。人見知りやパパ見知りは悪いことではありません。パパは赤ちゃんに泣かれてしまっても、気にして凹み過ぎないことが大切です。
■パパ見知りするのはいつからいつまで?
「パパ見知りの時期はいつからいつまで?」と気になるパパやママも多いでしょう。
一般的に、パパ見知りの始まりは人見知りが始まる時期と同様に生後5~7カ月頃からといわれます。「抱っこの居心地が悪いから泣く」といったパパ見知りに似た反応は、早ければ生後2カ月~3カ月頃から起こる場合も…。パパ見知りが解消される時期には個人差がありますが、1歳頃を目安に自然と落ち着いてくる割合が高いようです。
しかし、パパが単身赴任中で接する機会が極端に少ないなど、パパと子どもの関係が構築されないままだと小学校になってもパパ見知りが持続する可能性があります。パパ見知りが長引きそのまま反抗期を迎えてしまうことも…。逆に、自我が出始める前からパパと接する時間が長ければ、パパ見知りが起こらない可能性もあります。
■パパ見知りだと、ここが大変
赤ちゃんがパパ見知りになった場合、以下のようなことで困ってしまうシーンもあるでしょう。
・ママの負担が増える
家事などでママの手が離せず、「パパに赤ちゃんのことをお願いしたい!」そんなとき、赤ちゃんが泣いてしまうとなかなかパパに任せられません。結局ママが赤ちゃんのお世話をしなくてはならなくなり、ママの育児負担が増えてしまうでしょう。・健診で困る
乳児健診や予防接種の際、パパとママが一緒に来院することもありますよね。そんなときパパが抱っこをした状態で健診を行うと、聴診や触診などが十分にできないことも…。赤ちゃんが泣いてしまい、なかなかスムーズに進められない場合があるのです。・あまりひどいとパパが産後鬱になることも
赤ちゃんのパパ見知りがあまりにひどいと、パパは落ち込んでしまいますよね。産後鬱はママに起こるものと思われがちですが、実はパパにも起こるものなんです。赤ちゃんのパパ見知りがひどく、育児にストレスや不安などを感じることで、疲れやすい、眠れない、食欲がない、イライラする、悲観的になる、など、心身に影響が出てしまいます。■パパ見知りの対処方法
赤ちゃんのパパ見知りはどのように解消していけば良いのでしょうか。ここからはパパ見知りの対処方法をお届けしていきます。
・パパと赤ちゃんのふれあい回数を増やす
まずポイントとなるのは、パパと赤ちゃんがふれあう頻度を増やしていくことです。初めはパパからアクションを起こさず、同じ空間にいるだけでも大丈夫。まずは、赤ちゃんにパパを「敵」と思わせないことがポイント。「不快な人」、「嫌な人」と思われるより「害のない人」になるくらいの気持ちよいでしょう。赤ちゃんと過ごす時間を長くとり、赤ちゃんにとってパパが「安心できる存在」となるとうれしいですよね。
生後できるだけ早い段階から意識して実践しましょう。乳児検診などにいっしょに行ったり、行事に参加したりするなどして、ふれあいの機会を増やしてみても。
・ママといっしょにお世話する
パパと赤ちゃんがお互いにふれあうことに慣れたら、ママといっしょにお世話もしてみましょう。「ママが近くにいれば、パパがお世話をしても大丈夫」という赤ちゃんもいます。パパの育児参加はママのサポートになりますし、いっしょにお世話をすることでパパに「赤ちゃんにとって快適な育児」を習得してもらうキッカケにもなります。パパもいっしょに育児経験を積んでいきましょう。
・夫婦仲が良いことを見せる
ママとパパが仲良くしている姿を子どもに見せることもポイント。赤ちゃんに、パパが怖い存在ではないことを認識してもらいましょう。子どもを守っていくためにも夫婦仲は大切。忙しさで夫婦の距離が離れてしまうこともありますが、小さなことでも感謝を言葉で示すなど、お互いに思いやりを持っていたいものです。子どもが将来必要としたときに父親にも母親にも頼れるように、良好な夫婦関係でいることは大切でしょう。
・泣かれてもめげずにお世話する
赤ちゃんが泣いてしまっても、パパが関わる時間を減らさないことも重要です。「赤ちゃんが泣くからパパには頼めない」「赤ちゃんが嫌がるから近寄らない」といった考えは捨て、父子の絆を構築するチャンスを逃さないようにしましょう。
パパが育児参加から遠ざかってしまうと、ママは誰にも頼れず家庭内で孤立してしまいます。ママだけががんばる育児は辛いですよね。ママが自分でやったほうが早いこともあるかもしれませんが、パパを褒めたり感謝の言葉を伝えたりして協力体制を構築しておきましょう。赤ちゃんに嫌がられたとしてもパパの育児への介入は根気強く続けてください。パパが育児に慣れたらママのリフレッシュデーを作るなど、ママの心の健康も意識していけたらさらにGOODです。
・赤ちゃんが好きなことをしてあげる
赤ちゃんが好きなことをパパがしてあげるのもポイントです。日頃からどんなことをしたら赤ちゃんが喜ぶのか、夫婦で共有しておきましょう。
■シーン別!パパ見知り改善対策
「いつもは大丈夫なのに夜だけパパ見知りで困る!」「お風呂だけはパパ見知り対策をして任せたい」といったこともあるのでは?パパ見知りが起こりやすいシーンをピックアップして対策をご紹介していきます。
・【お風呂でのパパ見知り】
赤ちゃんがお風呂でパパ見知りをする原因としては
- ・赤ちゃんにとってパパがお風呂にいることが不自然
- ・お風呂に入れる手順がママと違い不安になる
まずは、赤ちゃんにとってパパとお風呂に入ることが「当たり前」となるよう、パパと赤ちゃんのお風呂デーを連続して確保してみましょう。1週間ほど連続していっしょに入ってみるのが理想です。初めはママとパパと赤ちゃんの3人でお風呂に入ってみて、慣れてきたらママが抜けるといった方法でも良いでしょう。
パパが赤ちゃんを洗うときはママと同じ手順を意識して安心させてあげる、お風呂で遊べるおもちゃを用意して楽しく過ごせるように工夫する、などもおすすめの対策です。
・【夜の寝かしつけでのパパ見知り】
夜の寝かしつけもお風呂と同様、パパがいることが不自然で泣いてしまうケースが考えられます。
赤ちゃんに「パパがいる空間で寝ること」に慣れてもらうため、初めはママとパパの両方が寝室に入り、ママ主体で赤ちゃんを寝かしつけてみるのがおすすめです。赤ちゃんが入眠するときに、パパも赤ちゃんの視界に入っていることがポイント。
赤ちゃんが慣れてきたら、パパだけで寝かしつけをしてみます。パパが寝かしつけるときは抱っこひもを使うのがおすすめですよ。
■パパ見知り中の赤ちゃんにしてはいけないNG行動
最後は、赤ちゃんがパパ見知りをしているときに大人がしてはいけないNG行動をご紹介します。
・イライラする
パパ見知りをしている赤ちゃんは、「不安」や「怖い」といった感情を抱えています。そんな赤ちゃんに対してママやパパがイライラしている姿を見せてしまうと、恐怖心をあおってしまいます。
赤ちゃんは人の感情に対して敏感です。「しんどい」、「パパにお世話を頼めずムカムカしている」といったときも、赤ちゃんへの態度には出さないよう気をつけましょう。ママもパパも、赤ちゃんが安心できるよう、ゆったりとした気持ちや態度で接することが理想です。
・無理にお世話する
赤ちゃんに対して無理強いをすることも避けましょう。パパ見知りで赤ちゃんが泣いていても、パパがめげずにお世話することは大切です。しかし、無理やりのお世話は避けたいところ。赤ちゃんがあまりに泣いているときは、落ち着くのを待ってからお世話しましょう。
・大きな声を出す
赤ちゃんは大きな声や大きな音がするとビックリしてしまいます。ママもパパも、無意識に大きな声で話していたり、くしゃみをしたり、大きな音を出していることがあるかもしれません。
パパ見知り中の赤ちゃんに接するときは、意識して優しい声で話しかける、大きな物音を出さない、など気をつけてみてください。
・ママがパパを放置する
赤ちゃんがパパ見知りすることを「どこの家庭でもあること」と、気に留めないママは多いでしょう。気にしすぎないことは大切です。しかし、困っているパパをそのまま放置してしまうことはおすすめできません。また、「どうせ泣くから」とパパを育児から遠ざけるのもNG。
我が子に泣かれて、パパは実はショックを受けています。自信を失ったパパを放置してしまうと、パパの育児へのモチベーションが下がり次につながりません。パパがいじけることのないよう、ファローを入れてあげることも大切。パパがしてくれたことについて、感謝の気持ちを伝えることも大切です。赤ちゃんとパパの間に入りサポートするなど、パパが「次もがんばってみよう」と思える環境作りも忘れずにしてくださいね。
■「パパ見知り」はパパの積極的な育児介入で解消!
赤ちゃんのパパ見知りを解消するには、「パパが積極的に育児に介入していくこと」がポイントです。ぜひパパには積極的に赤ちゃんのお世話に参加してもらい、赤ちゃんにとって「パパがいることが自然」な状況を作りましょう。ママはフォローをしながら、パパに「赤ちゃんにとって心地良いお世話の方法」も伝えられるといいですね。
【監修】たけつな小児科クリニック 竹綱庸仁先生
<プロフィール>
2004年、愛知医科大学医学部卒業。同大学で臨床研修終了後、小児科に入局。2013年、奈良県の病院で小児科の立ち上げに従事。2017年、たけつな小児科クリニックを開設。「すべては子どもたちのために」をモットーに、一般的な疾患からてんかんなどの神経疾患、食物アレルギーや喘息、日本でも数少ない小児頭痛を専門とするなど幅広い診療を行う。現在は病児保育室バンビを運営する他、言語発達遅延の子どもに言語訓練を行う児童発達支援施設「のびいく」を運営している。趣味は読書と神社巡り。
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2022.09.09
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kimmy
やんちゃボーイズ2人のママです。転勤族妻で、営業、事務、秘書の経験があります。大学で運動栄養学、仕事ではサプリメントに関する知識や、環境問題・エコなどについて学びました。休日に夫が作ったご飯と美味しいお酒でカンパイするのが楽しみです。子どもと一緒にてんやわんやの日々ですが、自分のケアもキチンと!が最近のテーマです♡【Instagram】kimmy_sasa_mii
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